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Re: えっ、今日から私も魔法使い!?【募集あり】 ( No.128 )
日時: 2014/12/24 21:02
名前: 雪兎 (ID: gDKdLmL6)

第三十六話・前編

あの対抗戦での事件から、まる一日が経ち。

フィリアは学園理事長に呼び出されたため、理事長室へ向かっていた。

フィリア自身、あの事件のことはよく覚えていた。自分の身に乗り移った、不思議な竜のことも。

もちろん、周りの仲間も覚えている。ただ、限られた者達だけである。

フィリア、ジーク、リリアン、エリオット、リュネット、ハク、カイル、ギルバート。この八名だけだ。

ほかの生徒達は、理事長の不思議な魔力によって記憶を消された。でも、あの場にいなかったカイル君とギルバート隊長が記憶を消されていないのは、なぜなのだろう?

そんなことを考えているうちに、理事長室の前に着いた。大きく深呼吸をし、ドアをノックしてから声を掛ける。「失礼します」「どうぞ」

部屋に入ってみると、なんとフィリア以外の七名が全員そろっていた。

え!?呼び出されたのは、私だけかと思ってたのに。

七人とも、思い思いの場所に陣取っている。早速リリアンが飛び込んできた。「フィルっち〜〜っ!!」

「わっ。リ、リリアンも呼び出されてたんだ」

「そんなことより!体だいじょーぶ?もう、保健室の先生が絶対安静とか言って会わせてくれなくてさ……」

「そうだぜフィル。みーんな、心配してたぜ」

頭をかきながら眠そうに登場したのはジーク。こいつ、本当に心配してたのか?

それから皆も集まってきて、口々に声を掛けてくれた。「良かったぁ。」「元気そうですね」「もう大丈夫なんすか?」

みんなの温かさに触れ、なんだかとてもほっこりした気持ちになる。

あ、そういえばと、私はリュネットに近づいた。「リュネ。約束、守ってくれてありがとね」

リュネットは何も言わなかったけど、コクリと頷いてくれた。

「…ん?」

よく見回してみると、八人の他に男の人と女の人が立っていた。あれ?どこかで見たことあるような。

そのとき、理事長が口を開いた。「では全員そろったようだし、話をしてもいいかな。」

私は、皆と一緒に慌てて向き直る。

考えてみれば、理事長の姿を見るのはこれで初めてだった。

まっすぐ切りそろえられた前髪。黒いロングヘアー。どうみても二十代にしか見えないが、これでも40歳は超えているらしい。

「みんないろいろ気になることがあるだろうが、まずはこの二人の紹介からしよう。…といっても、ほとんどの者は知っていると思うがな。」

そういって理事長が手で指し示したのは、二人の男女。

まず紫色の髪の男の人が口を開いた。垂れ目で優しそうな顔立ちだ。「みんなもう知ってると思うんやけど…まあええわ。生徒会長のコルテス・グレンウィルです。おおきに」

そうだ、生徒会長だ!入学式に見たことあったのに…忘れてた。なんだか不思議な訛りを持っているなと、印象に残ってたんだった。

次に、前髪を真ん中で分けた、黒ぶちメガネの女の人。「…副会長のリンダ・ボールドウィンです。」

この人が副会長さんだったっけ。って、あれ?

ボールドウィン……ソフィア先生と同じ苗字だ。

私の視線に気づいたのか、リンダさんはメガネを直しながら言った。「私の母はソフィア・ボールドウィン。この学校の教師です」

「あ、あの、すみません。ありがとうございます」私の言葉に対してリンダさんは、「慣れているので」とそっけなく返した。

理事長がコホンと咳払いをした。それによって全員が理事長の方を向いた。

「さて。それじゃあ、話を始めようか」

              次回、第三十六話・後編。お楽しみに☆

それにしても全然話進まねえ…((汗 すみませんっ!