コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: えっ、今日から私も魔法使い!?【募集あり】 ( No.129 )
- 日時: 2014/12/26 23:33
- 名前: 雪兎 (ID: gDKdLmL6)
第三十六話・後編
「君達は、私立エルフォード学院を知っているか?」
「私立…エルフォード?」
あー、なんか名前だけは聞いたことあるような。噂だと、
「確か、ウチのライバル校でしたよね?」
「その通りだ。まあ、というよりも……」
そこで、理事長が隊長(ここから、ギルバートは隊長と呼びます)に目配せをする。どうやら説明しろということらしい。
隊長はふうっと息を吐き出してから言った。
「エルフォード学院とは、ライバルなどという生易しい関係ではない。昔からいろいろと因縁があるから…そうだな、隙さえあれば潰し合うような仲だ。」
う、うげえ。今の今まで知りませんでした……
ちなみにここにいる人たちは全員知っていたらしい。マジか!
「最近、学院長が変わってから、ますますウチを敵視するようになってな。ついこの間、学園内に保管されている「ある物」を奪うという予告状が来たわけだ」
ある物?
「ある物って、何すか?」
私と同じく気になったのか、ハク君が勢い込んで聞くが、「まあ、今はあえて言わないでおくよ」と流されてしまった。
「じゃあここからはコルテス、お願いするよ。」
めんどくさくなったのか、理事長は会長に振る。会長はやれやれと首を振ると、のんびりとした口調で話し始めた。
「実はなあ。その「ある物」の鍵が、女神像の中に隠されとったんよ。」
「あ?あの対抗戦のときのヤツかよ。」
ジークが耳の裏を掻きながら言う。ちょ、生徒会長にその口の聞き方は……。
しかし会長は怒るわけでもなく、またのんびりと続けた。「そや。連中もまさか、対抗戦で使われるアイテムが鍵だなんて気づかへんやろと思てたんやがなあ。そこは上手くカモフラージュしたつもりやったのに。」
するとそこで、黙り込んでいたエリオットが口を開いた。
「…あの転校生三人組ですね。」
「…おっ、正解や。賢いのー。」
会長は、いつも眠たそうな目を少し見開いて言った。「まさか自分らんとこの学生を送り込んでくるとはなあ。生徒として潜入されたのに気づかずに、情報をつかまれてしもたんや。」
へえ〜。対抗戦の裏側には、そんなことが起こっていたのか……。
みんな、真剣に会長の話に耳を傾けていた。時間がたつのも忘れるほどに。
するとカイル君が、ここぞとばかりに質問をした。
「それで結局、理事長先生方は、なんの目的で僕たちをここに呼んだのでしょう?」
そう、それだ!
気になっていたのは皆も同じようで、一様にコクコクと頷いている。
「そうだ、忘れていたよ。実は、君達に頼みがあるんだ。」
いや、忘れてちゃだめでしょ…。
リリアンが、「わーい♪理事長先生直々の頼みだなんてっ。なになに〜?」と先をうながす。
理事長は一旦目を閉じてから、思い切ったように言い放った。
「君達に、『女神像奪還作戦』の任務を与える!!」
次回から新章スタート!お楽しみに。