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Re: えっ、今日から私も魔法使い!?【新章スタート!】 ( No.137 )
日時: 2015/01/17 22:21
名前: 雪兎 (ID: gDKdLmL6)

第四十三話 <女神像奪還作戦編>

リリアンの子守唄によりほぼ眠りかけた三人だったが、まあなんとか覚醒した。

「やれやれ…まあ、さっさとその中調べてみようぜ。もうこんな場所、うんざりだからな」

ジークが頭を掻きながら、取っ手の付いた床を指差す。ハクは「了解しましたあ!」と元気に返事をすると、取っ手に手をかけ、ゆっくりと開けた。


…そして、固まった。


「?どーしたの、ハク君。」

リリアン、ジークとカイルも覗き込んだ。

すると、中には数冊の雑誌が。

表紙には、水着を着たきれいな女の人の写真。ハクが、小さな声でボソっと呟く。「これってもしかして、エロほ……」

その瞬間、リリアンがすばやくハクの口を塞ぎ、ジークは炎で雑誌を全て燃やし尽くした。そしてそれをカイルが消化。

…見事な連携プレーである。

リリアンは、笑顔で言った。

「さあ、私達は何も見なかった。あの扉、調べてみよっか?」

…その迫力に、男性人は黙って頷いた。

              ☆

学院の生徒達が入ってきた扉の奥へと進むと、しばらく薄暗い廊下が続いた。壁から矢でも飛び出してきそうな雰囲気だ。

「本当に、この先に女神像があるんすかね?」

ハクが体をぶるっと震わせる。ジークはその背中をぶっ叩いた。

「アーホ、今更そんなこと言う奴いるかよ?…てかどっちにしろ、もう後戻りなんてできねーんだよ」

「い、痛た…そ、そうっすよね。ハハ」

「その通り、…だよ。お兄さんたちはもう、無事…には、帰れない」

!!

誰だ!?

声の主は、廊下を抜けた先の大広間にいた。

見た目からしてまだ小学生というところだろうか。灰色の髪をしていて、整った容姿ではあるが、中性的で男女の見分けがつかない。

そしてなぜか、白いウサギのぬいぐるみを抱えていた。

「誰だ……てめえ?」

「…ルカ・ラインハルト。…この人怖いね、ねえ、…ぴょんちゃん。」

「んだと?」

ルカはジークの問いに律儀に答えたかと思えば、今度はぬいぐるみと話し始めた。

何なんだ、この子は?

四人は顔を見合せた。仕方なく、一番適役と思われるカイルが前に出る。

「えーと、すまない。君、ここの生徒なら…」

「ごめん、なさい」

「え?」

何?何で謝るのか。

「僕、お兄さん達を倒せ、って。言われてるから…」

だから、と呟くと、ルカはぬいぐるみを真上に放り投げた。

次の瞬間。

「え……?」

ポヒュン!!

…という音とともに、目の前に現れたのは。


白いウサギの、5メートルはあろうかという巨大なぬいぐるみだった。


「えええええええええ!?」

                 次回、第四十四話。お楽しみに☆