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- Re: えっ、今日から私も魔法使い!?【新章スタート!】 ( No.138 )
- 日時: 2015/01/18 21:05
- 名前: 雪兎 (ID: gDKdLmL6)
第四十四話・前編 <女神像奪還作戦編>
「えっえっ!?あのウサちゃんって確か、ルカくんが持ってたやつ、だよね?」
リリアンが巨大ぬいぐるみを指差す。すると、カイルがその疑問に答えた。
「あれは使役魔法ですね。しかしあの大きさのものを操るとは…相当の魔力の持ち主のようです」
言いつつ、指揮棒をかまえるカイル。それとほぼ同じタイミングで、ぬいぐるみが大きな腕を振るってきた。
「ぎゃあああっ!?」
「ぬいぐるみ…じゃなくて、ぴょんちゃん…だよ」
ルカが「ぴょんちゃん」と呼ぶそのぬいぐるみは、かわいらしい顔に似合わず超重量級の攻撃を仕掛けてきた。
全員なんとかかわしたものの、その後の風圧で吹き飛ばされてしまう。
「っ!…いってーな。おいお前ら、無事か」
「は、はい…なんとか。」
全員の無事を確認すると、ジークは頬に付いた血を手の甲でぬぐいながら立ち上がった。
「っはは。…この俺に傷を負わせるとはな。…それなりの覚悟できてんだろうなァ!」
一声吠えると、鎌を巨大化させて思いっきり跳躍した。
「た、たっかーいっ。ねえ何なの、あのジャンプ力っ。」
リリアンが驚くのも無理はない。ジークは、助走もつけずに約5メートルほどの高さを飛び上がったのだから。
ぬいぐるみの顔の前で、ジークは大鎌を振りかぶった。
「よお、おチビさん。マヌケ面しやがって…切り刻んでやるよ!!」
ジャキッ。
ジークが鎌を振りぬき、ぬいぐるみの顔面には大きな切れ目が出来る。
……はずだった。
ぬいぐるみには、傷一つ付いていなかった。
「嘘…だろっ!?」
目を見開くハクの横に、ジークがストンッと着地する。
「……こいつ」
「…そんな攻撃じゃ、ぴょんちゃんを傷つけることは、出来…ない」
ルカのか細い声が、さらに小さくなる。…まるで、悲しみをこらえているかのように。
「どーして?ジークっちの攻撃は、間合いもタイミングも完ペキだったはずなのに…」
不思議そうなリリアンの疑問に答えたのは、またしてもカイル。
「おそらくですがあのぬいぐるみは、あの子の言うとおり物理的な攻撃ではダメージを与えられないのだと思います。」
「どういう……あー、そういうことか」
ジークがニヤリと微笑む。それを見てカイルも薄く微笑した。
「お分かりのようですね。あのぬいぐるみの弱点は、おそらく」
カイルは指揮棒を突き出して言い放つ。
「…魔法攻撃、です!」
次回、第四十四話・後編。お楽しみに☆
短くて申し訳ないのですが、キリがいいのでこの辺で終わらしときます。スンマセン!