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Re: えっ、今日から私も魔法使い!?【参照1000突破♪】 ( No.145 )
日時: 2015/01/26 19:09
名前: 雪兎 (ID: gDKdLmL6)

第四十六話 <女神像奪還作戦編>

フィリアたちは、学園への道を駆け戻っていた。

息が切れ、呼吸が荒くなる。まあ、隊長は全然苦しそうじゃなかったけどね。

今、学園まで700メートルくらいのところまで来た。高層ビル群を抜けるので、次の角を曲がれば校舎が見える!

四人の荒い呼吸音が、日の暮れかけた路地裏に響き渡る。隊長の「みんな、もう少しだ」という励ましの声も、どこか他人事のように聞こえた。

「っ…!た、隊長、あれは」

突然、エリオット君が途切れ途切れに叫んだ。それで、ようやく校舎が見えたことに気づく。

慌てて、私も顔を上げてみると……


校舎の窓という窓から、白い煙が吹き出していた。


「どういう…ことだ?」

さすがの隊長も、目を丸くして驚いている。

煙は、一定の量を保ちながら途切れることなく出続けていた。黒くはないから、何かが爆発したとか燃えたとか、そういうことではないと思うんだけど…。

「…急ごう、隊長。…早く状況、確認…しないと」

一番後ろを走っていたリュネが、少し息を切らしながら言う。隊長も「分かっている」と一言だけ答え、私達は全速力で校舎へと向かった。

              ☆

私達は、ようやく校舎に着いた。みんな息をぜいぜいと切らしている。

でも、今は休んでいる時間などない。

まず、私が一番疑問に思ったこと。

「…なぜ、誰も避難していないのでしょうか?」

そう。これだけ白い煙が校舎内に充満しているというのに、一向に動きがない。それどころか、物音一つ聞こえない。

「…確かに、何かがおかしいな。」隊長は、顎に手を当てて考え込んでいる。

「とりあえず、中に入ってみません?僕が風で煙を払いますから」

「ん?風って…。エリオット君、風魔法なんて使えたっけ?」

ああ、と笑ってエリオット君が答える。

「そっか、フィリアは覚えてないんだっけ。…ちょっとね。対抗戦のとき、いろいろあってさ」

「そ、そう…」

なんだか微妙な気持ちだ。これじゃ、魔法使えないの私だけじゃん!

                     今日中に続き上げます。