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Re: えっ、今日から私も魔法使い!?【参照1000突破♪】 ( No.147 )
日時: 2015/01/28 22:24
名前: 雪兎 (ID: jM89U6Tv)

第四十七話 <女神像奪還作戦編>

「う…、皆さん、無事ですか」

その頃、閃光弾で目を眩まされたジークたちは、床にうずくまっていた。

「め、目が…チカチカするっすぅ。」

「でも、だいぶ回復してきたみたい。…よーし、もう大丈夫☆」

そう言ってぴょこんと伸び上がるリリアンに続き、ハクもよろよろと立ち上がった。

その横でジークは、顎に手を当ててしかめっ面をしていた。

「さーて、これからどうすっかな」

それに、カイルが加わる。「…そうですね、まずいですね」

なんの話をしているのか分からない二人は、顔を見合わせる。

「どうするって…決まってるじゃないスか。早く帰りましょうよ」

「うんうん。そのとーりっ。ヒーローは遅れて登場するも…の…」

言いかけたリリアンの語尾が、途端に小さくなり、そして何故か真っ青な顔になる。

「?どうしたんスか、皆。」

一人だけ状況が飲み込めていないハクに、カイルが苦笑いで説明する。

「…早く帰りたいのは、僕も同じなんですけどね。その、唯一の出入り口を今、開けるわけにはいきませんよね?」

遠まわしな言い方だったが、さすがのハクにも理解できた。

「そ、そうだ、警備員…」

そして、叫ぶ。

「帰る方法、考えてなかったっスぅぅぅ〜〜!!」

              ☆

それから四人は、他に出口がないか死に物狂いで探し回った。

だが…そう簡単に見つかるはずもなく。

必死の捜索は、ハクがこんな紙切れを見つけるまで続いた。

「はあああ、お腹すいたっス…ん?」

途方にくれていたハクは、自分の足が踏んでいたくしゃくしゃの紙切れに気づき、それを拾い上げた。

「これは……。おーい、皆さーん!ちょっと来てほしいっす〜。」

何事かと集まってきた三人に、ハクは例の紙を見せた。

「おいこれ、地図か?」

紙には、汚い線で下手くそな地図が書いてあった。どうやら、地形からして前の部屋らしい。

「じゃあ、一回あの倉庫部屋まで戻るか。」

              ☆

廊下を抜けて最初の部屋まで戻ってきたジークたちは、改めて地図を確認した。

「ここの☆マークが付いてるところに、お宝ちゃんが隠れているってことだよね?」

何故か目を輝かせて言うリリアンに、「まあお宝かどうかは分からないけどな。」とジークが突っ込んだ。

「それじゃあ、このマークの場所に行ってみますか。」

カイルを先頭に、たどり着いた場所は……

あの、例の雑誌が隠されていた取っ手つきの床だった。


「……。」


全員が黙り込み、気まずい空気が流れる。

「何だ、結局はえろほ…」

ハクを無言の圧力で黙らせるリリアン。

するとその時、いきなりジークが、取っ手を開けて中を調べ始めた。

「えっと…ジーク君、そこはもう何もないでしょお〜?」

「いや、どうかな。」

ジークはそう言ってニヤリと笑ったかと思うと、雑誌が置かれていた側面の壁を蹴った。

ガゴン!

板が外れる音が響いた。

驚いた三人が中を覗き込むと、人一人がギリギリ通れそうな通路があった。

「まあ、どうせどっかの男子生徒が、エロ本見たさにこの通路を作って読みに来てたんだろ。燃やしちまって悪いことしたなあ。」

まったく悪びれていない口調でジークが言う。

「さあ、帰り道は出来たぜ。行くぞ、お前ら」


                 次回、第四十八話。お楽しみに☆