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Re: えっ、今日から私も魔法使い!?【参照1000突破♪】 ( No.151 )
日時: 2015/02/14 21:17
名前: 雪兎 (ID: jM89U6Tv)

第五十話・後編

「えーっと……」

なんか、ますます変な状況に…。

あれから、なぜか私達の周りにはちょっとした人だかりが出来つつあった。…圧倒的に女子が多いけどね。


「えー、ちょっと何アレー?」

「見て、ジーク様とカイル様がご一緒にいらっしゃるわ!」

「なんか言い争い?もしかしてあの女の子を巡って…」

「きゃー、三角関係だわっ。」

「あれ、でも後ろにもう一人女の子がいるわよ?」


……と、皆さん勝手な妄想をなさっているご様子で。

うー、困ったなあ。

ジークのことだから、「っしゃ、決闘だァ!」とか言い出しそうだし。

その時、耳元に何かささやかれた。

「……こっち。」

「えっ?」

振り向くと、リュネが私の手を取っている。

そして、何も言わずに走り出した。

「え、ちょっ…」

私は、少しコケそうになりながら引っ張られ、否応なしにリュネの後を付いていくしかないのだった。


…リュネって、結構握力強いのね。

              ☆

「取り残されましたね。」

「ああ、すっかりな。」

言い争いの種が急に消えたため、ジークとカイルは気まずい雰囲気になっていた。

「ったく、あのおてんばはよ。…まあイイや、飽きたからハクでもいじくって来っかー。」

と、ジークはカイルを一瞥してから、校舎の方へと去っていった。

一人になったカイルは、ぽつりとつぶやいた。

「まあ、また次の機会にでも。…作戦、考えておかなきゃ、ですね」

              ☆

「リュネ、ありがとー!…なんかちょっとゴタゴタしててさ。困ってたんだよねえ。」

私は、リュネに連れられ、校舎の外へと足を運んでいた。

休日は、門限までに帰れば町に出てもいいことになっている。まあそれでも見回りの先生は結構いるし、行っちゃいけない場所も数多くあるけどね。

「で、私達って買い物行く約束してたっけ…?」

もし忘れていたのなら、結構失礼だと思うのだが。

でもリュネは、涼しそうな顔でこう答えた。

「…今日、誰かに…付き合ってもらう、予定だった。…たまたま見かけた、から…それだけ。」

「そ、そっか」

私じゃなきゃダメってことでは無かったのね。うーん、残念。

まあとにかく、忘れてたわけじゃなくて良かった!

「それで、今日は何を買いに行く予定なの?」

「…髪留め。」

髪留め?何か思ったより乙女らしいような。あっ、そんなことないか。

「確かにリュネ、最近前髪伸びてきたもんねー。じゃっ、どこ行こっか?」

ふふ!女友達とこうして買い物行くなんて、何年ぶりかなあ。

…まあ私はお金ないから、何も買えないけどね。

とにかく、今日は楽しまなくっちゃ!

                 次回、第五十一話。お楽しみに☆