コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: えっ、今日から私も魔法使い!?【参照1000突破♪】 ( No.153 )
日時: 2015/02/25 20:16
名前: 雪兎 (ID: /4zHEnTD)

第五十二話

「…あれー、おっかしいなあ。」

メインの用事を済ませ、それから少し商店街をぶらぶらした後、私達は帰る事にした___のだが。

「もしかして。道、迷った?」

……。

やっばいじゃん!!

数秒の沈黙の後、私は大きく頭を抱えた。

そうだった…。私、こんなトコ来た事ないから道わかんないし。リュネも箱入りお嬢様って感じで、庶民の町なんか詳しくないはずだし!

リュネは、どうしたの?という感じで小首を傾げている。あああ、なんかもう、帰れなかったらどうしよう…!

ただでさえ気弱な私である。追い討ちのように胃がキリキリ痛み出した。

「ううう…。」

思わずうずくまった時だった。

「ねえねえ、そこの彼女達ぃ。何してんの?今ヒマ?」

「え?」

振り返ると、ガラの悪そうな三人組の男達が立っていた。


……果てしなく嫌な予感がする。


「お?よく見れば、お前らあん時の生意気な下級生じゃん。」

こいつら、前にリュネに絡んでた不良の先輩!

一人が、「へへっ」と嫌な笑いを浮かべ、リュネの顎をつかんだ。


…案の定リュネは、露骨に嫌そうな顔をしてその手を振り払ったわけで。


「…あ?んだテメ、優しくしてればいい気になりやがって。」


うわあああああ…

分かってました、分かってましたけども!


最悪だ、なぜこの子はこんなにも不良と縁があるのでしょう?教えてください神様っ。

「へっ、年上の怖さ思い知らせてやるよっ!」

もう一人の男がいきなり出てきて、リュネに殴りかかった。

えっ?やば…っ、

「リュネ!!」

その時。

キィィンッ!

ガラスを床に落としたときのような音が響くと、なぜか男は拳を振り上げた状態で固まった。

「…は?んだよ…。」

何が起こったの?

よく見てみると、リュネの頭にあるはずのものがなかった。粉々に砕けた銀の髪留めは、地面でキラキラ光を反射していた。

そして、それを見たリュネの顔は、どんどん強張っていき……。

…やばい。

リュネが純白のマントに手を入れる。そして、カチャリという音。

…ますますやばい。

もしリュネが、武器を持ってきていたのだとしたら。

そして聞き間違いでなければ、今のは安全装置をはずした音…!

「ま、待ってリュネ、気持ちは分かるけど」

「あ?何言ってんだよ」

止めようとした私の声に反応した男が、手を伸ばしてくる。

い、嫌…!

そしてそれを見たリュネはさらに眼光を鋭くし、今まさに拳銃を抜き放ち___。

「おい、そこで何してる!」


よく通る声が、細い路地に響いた。


「!!」

立っていたのは、白髪に金色の瞳の少年。

ま、まさか、あれは…!


…って、誰?


                 次回、第五十三話。お楽しみに☆