コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: えっ、今日から私も魔法使い!?【新章スタート☆】 ( No.157 )
- 日時: 2015/05/03 22:29
- 名前: 雪兎 (ID: VIeeob9j)
第五十六話 <何でもアリな体育祭編>
「よぉし。頑張るぞ!」
よく晴れた空の下。私はハチマキをぎゅっと締めて気合を入れた。
左隣ではリュネットが、眠そうにあくびをしている。また右隣では、エリオット君が「うう〜、緊張してきた。…が、頑張ろうね!」と震え気味にガッツポーズをしていた。
時は対抗戦当日。天気予報は見事にはずれ大快晴。各社の社長令嬢、跡取り息子の生徒達も、この日ばかりは浮かれ気味のようだった。
☆
さて、緊迫のくじ引き大会をすっ飛ばしてここまでやってきてしまったけれど、みんなはついてこれているだろうか?
前述の通り、私はエリオット君、リュネ、あとキャンディさんと一緒のチームになった。チームカラーは白。
キャンディさん曰く、「高貴なる白チームの皆さん。くれぐれも、私の足を引っ張らないでくださいませね?」だそうである。まあ強いし美人だし、憧れの人なのでツッこまないでおいた。
そして、いっっっちばん最悪だと思ったのが赤チーム。これが一番タチが悪い。
ジーク、リリアン、プランス君、カイル君、ロゼッタさんが一緒のチーム。
……は?
という感じである。
強すぎだろこのチーム。くじ引きの神様、いたずらするにも限度って物がありますよ!…と、危うく叫びそうになったほどである。
…まあ、チーム内でひそかにカイル君ファンクラブ隊が出来ていることも、ロゼッタさんがそこに入っていたのも予想外だったけどね。
ちなみに、ここのチームカラーは赤である。さっき、ジークが「ヒャッハー!赤は血の色!戦いの色だぜぇー!」と叫んでいるのが聞こえた。
怖すぎるし、まず血を流すような戦いではないので本当にやめてほしい…。
他のチームのカラーは、黄、桃となっている。つまり全部で4チーム。
……と、思っていたのに。
あまりにも突然に、そのときはやってきた。
『ではここで、特別混合チームをご紹介します!』
なにやら不穏なアナウンスが入った。心拍数が異常なくらい上がっている。本能的に、この先は聞きたくないぞ…!
『本日の高等部一学年・対抗体育祭を盛り上げるため、理事長直々に選ばれた、多学年の精鋭たちの登場です!』
やめ、やめて…!本当に嫌な予感が…!
必死に耳を押さえる私を、エリオット君とリュネが不思議そうな目でみているのが分かる。ぐおおおお、恥ずかしい!
『団長に二学年のギルバート・カールソンさん、副団長に三学年のフリト・ノイモーントさんをお迎えしての、緑チームです!皆さん、拍手でお迎えください!』
…さらにその後、嬉しそうに声を張り上げるあの人が。
「ジークせんぱーい!ここッス、見てますかー!」
……。
っぎゃあああああああ!!もう終わりだ!
…と、学園に通う登場人物全員登場という、非常にご都合の良い展開で始まった体育祭編。おかしなところがあってもそこは気にせず、応援よろしくお願いいたします。
フィリアがあんなにも取り乱してしまった理由とは!?次回、第五十七話。お楽しみに☆