コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: えっ、今日から私も魔法使い!?【新章スタート☆】 ( No.160 )
- 日時: 2015/03/20 21:12
- 名前: 雪兎 (ID: /4zHEnTD)
第五十七話 <何でもアリな体育祭編>
「うわー、すごいね!緑チームだって。ハク君も隊長もいるよ!」
「…燃えてきた」
はあ、のん気だねえあんた達は…。
そう、私にとっては気が気ではない。何せこの体育祭は、「魔法が自由に使える」というとんでもないルールがあるからだ。
しかも武器の使用は禁止されてるし。まあ人を傷つけたら罰則があるし、安全なように規則が定められてるらしいけど……。
残念なことに今までの経験によると、この学園の生徒は大体戦闘好き。大方家での重圧によるストレスを、ここで発散してるんだろう。
しかも中には、あのジークのようにとはいかないまでも、戦い始めるとテンションがおかしくなってしまう人種の方々もいるかもしれない。
うーん、こんなこと思っちゃいけないんだろうけど、さ…。
「今日くらい、入れ替わってくれてもいいのよ…?」
「…フィリアさん、何か言いましたの?」
となりに立っていたキャンディさんが、怪訝そうにこちらを見てくる。いっけない、口にだしちゃってたか。
「まあ、いいですわ。それよりそろそろ、最初の種目が始まるみたいですわよ?」
その言葉を受けて、エリオット君がプログラムを広げる。「…あ、最初に戦うチームは、ジーク君たち赤チームと桃チームみたいだね。」
へえ、最初は見学できるんだ。ちょっと安心したかも。…赤チーム、やり過ぎないといいけどなあ…。
あれれ?そういえば___。
「これって、どうやって決着つけるの?5チームで奇数だし、1チームあまっちゃうんじゃ…」
「…簡単。シード権に決まってる。…2チーム対抗制の場合…は、ゲストである緑チームが…4チームの中で勝ち残ったところと…戦う。…け、けほけほ」
おお!リュネが説明してくれました。…ところで、なんか咳き込んでるけど大丈夫?もしかして長く喋るとむせるとか?そんなわけないか。
するとそこで、アナウンスが入った。
『第一種目は、パン食い競争です。選手の方は、指定の位置にお集まりください』
お?パン食い競争かあ。面白そう!一体どんな仕掛けが……って、
「高ッ!!」
高い、めちゃくちゃ高い!…パンの位置が!
私は、半ば唖然として空を見上げた。
地上から7メートルくらい上のところに、なぜかあんぱんがぶら下がっていた。
どうやって吊り上げたのかか知らないけど、最初からおかしすぎる、この体育祭。
「あ!選手がスタートラインに立ったよ!」
エリオット君の声に、皆が一斉に馬鹿でかい校庭の真ん中に注目する。
へえ、ああやって各チームから三人ずつ出していくのか。じゃあ、皆順番が回ってくるんだ…。
そこまで考えて、私は憂鬱な気分になった。…私なんかが走っても、足手まといになるだけだろうなぁ…。
まあ、いいや!ここは、仲間の勇姿をきっちり見届けようじゃないの!
そして、まずスタートラインに立ったのは___。
次回、第五十八話。お楽しみに☆