コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: えっ、今日から私も魔法使い!?【募集あり】 ( No.17 )
- 日時: 2015/02/26 22:39
- 名前: 雪兎 (ID: /4zHEnTD)
第二話
「・・・・・・。」
私は、絶句していた。
全長15メートルはあろうかという巨大な校門。
どでかい噴水。広大な庭。高い時計塔。
そしてなにより、豪華すぎる7階建ての校舎。
何これ・・・言葉が出ない!
「私、これからこんなトコ行くんだあ。」
ジークはふっと笑った。
「お前ん家は遠いから、ここの寮に住むことになると思うぜ。まあ、とりあえず中に入ろう」
校門をくぐると、そこでは何百人もの生徒たちが、思い思いに話をしていた。
でもやっぱりみんなどことなく優雅で洗練された雰囲気のある人たちばかりだった。
「やっぱりみんなお嬢様、お坊ちゃんってカンジだね。」
「そりゃそうだろ。大手電化製品メーカーの跡継ぎ、有名なおもちゃブランド会社の社長令嬢・・・見渡す限り、人生勝ち組の奴らばっかりさ。」
はあ・・・。
そんなところで、私上手くやっていけるのかな?
「でも、そういう奴らばっかりじゃないんだぜ?ほら、見てみろよ、あそこ。」
「え?」
ジークの指差す方向を見ると、そこには先生らしき人と話し込んでいる一人の少年の姿があった。
「エリオット・ロジャース。あいつも、お前と同じ奨学生だよ。・・・ま、俺とは一生分かり合えない人種?」
「私と・・・同じ・・・。」
そっか、私以外にも居たんだ。なんか仲良くなれそう。後で話しかけてみよっと。
そんなことを考えていると、後ろから声がかかった。
「こんにちは。ジーク・オースティン君ですよね?」
話しかけてきたのは、青い髪の男の子(?)だった。
・・・あれ?男の子なんだよね?
男の子にしては髪は長いし、首もあごも細くて色も白い。
なんか、「美少年」ってカンジだな。
「僕はカイル・マクディーン。今年からこの学園に通うことになりました。・・・これからよろしく。」
「お、おう・・・よろしく。」
一通り挨拶を済ませると、カイルは私に視線を移した。
「あなたも、今年からですよね。よろしく。良ければ、名前を聞かせてくれませんか?」
「あっ、私はフィリア・ヴァレンタイン。よろしく、カイル君!」
カイル君は、ふっと笑って言った。
「よろしく、フィリア。お互いがんばりましょうね。・・・あ、もうそろそろ行かなきゃいけないみたいです。また会いましょう、二人とも。」
そう言って、カイル君は去っていった。なんだか後ろ姿まで様になっていた。
「何だったんだアイツ。・・・ってフィリアどうした?」
「いや・・・。なんかきれいな人だったなって思って。あんたも少し見習ったほうがいいんじゃない?」
私が返すと、ジークは不機嫌そうに答えた。「そうかよ。」
それからも会話は続いた。「そういえばアンタって、中等部からここに通ってるんだっけ?」
「ああ、そうだ。大体は初等部から通ってる奴ばっかだけどな。お前みたいに高等部から通ってる奴のほうが少ないんじゃね?」
「ふーん、そうなんだ。」
・・・気のせいかも知れないけど、さっきからジークの様子が変だ。
さっきから、しきりに辺りを見回している。どうしたんだろ?
私が話しかけようとすると、ジークはスンスンっと鼻をひくつかせて言った。
「やっべ・・・何か面白そうなことやってるみたいだぜ!?」
「な、何よいきなり。・・・ッ!?」
そう言ったときのジークの表情。多分ずっと忘れられないだろう。
目は爛々と輝き、唇の端がつりあがり八重歯が覗いている。楽しくてたまらない、そんな風に言っているかのように、全身から生き生きとしたオーラが立ち上っていた。
「・・・っ」
私が声を掛けられないでいると、ジークは猛然と走り出した。
「ち・・・ちょっとジーク!?」
私の声は届いていなかった。走るだけじゃない、休憩所の屋根の上に飛び移りながら、猛スピードで学園の東の方角へと向かっていた。
「ああもうっ・・・アイツは!」
私も全速力で追いかける。何なのよ!
しばらく走ると、人だかりができていた。
「ハア、ハア・・・ん?どうしたんだろ・・・」
人ごみを掻き分け中央へ進んでいくと、二人の少年が対峙している様子が見えた。
ただごとではない様子だった。左側の男の子の周りには拳大の石が何個も浮かび、右側の男の子の周りには巨大な植物が何本も生えていた。
そして、今にも飛び出していきそうなジークの姿も。
一体・・・何がどうなっちゃうの!?
次回第三話・またまた新キャラ登場!お楽しみに!