コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: えっ、今日から私も魔法使い!?【オリキャラ募集中】 ( No.189 )
- 日時: 2015/05/27 22:50
- 名前: 雪兎 (ID: VIeeob9j)
第七十一話 <何でもアリな体育祭編>
エリオット君の華麗なゴールに勇気をもらった私も、なんとか自分の番を終えることができた。
私のお題は「腕時計」だったのだが、困っている私にきれいな女の人が高級そうな腕時計をわたしてくれたのである。この女性のおかげで2位でゴールすることができたので、何度も何度もお礼を言った。
うーん、どこかリュネに似ていたような……?もしかしたら、とは思ったけど、その後それ以上気にすることはなかった。借りたものは魔法で自動的に返される仕組みになっているので、なおさらだった。
まあ、それよりも。
「えっと…次がアンカーみたいだね。誰が出るんだろ」
我が白チームからは、クラスのムードメーカー的存在の男子、ルーク君が出る。彼については、おいおい説明しよう。
「…ってまた、ジーク君がアンカーかあ。ズルくない?」
その瞬間、白チームの空気が凍り付く。
冗談っぽく言ったエリオット君だったが、その雰囲気を感じ取り首をすくめた。
まあ、私たちのこの反応の理由は、後でわかると思う。
……重苦しい雰囲気の中、キャンディさんがふいに言った。
「でも、黄チームの彼女は確か、特待生でしたわよね?」
…ん?なんか含み笑いっぽい言い方。どうしたの?
「…残念なことに、赤チームが有利になってしまったようですわね。彼女、熱狂的なジークファンでしてよ?」
「えぇぇっ!?マジで?」
どんだけファンクラブあるのよ!
「でも、ということは…」
「…妨害工作の可能性、あり」
私の言葉を、リュネが引き継ぐ。そう、覚えているだろうか。一種目目パン杭競争の、カイルファンクラブ女子の行動を……
「あ、あははー。まあ、そんなこと気にしててもしょうがないしね?それに、ルーク君だって…まあ、可能性もなくはない訳だしさ!」
笑顔を浮かべるエリオット君だが、その裏に不安が見える。
「とにかく観戦観戦!白チームもいいトコまで追い上げてきてるし。大丈夫だよきっと!」
☆
「おーい!!へへっ、みんなのルークが走るぜぇ。応援よろしくぅ!」
その声に沸く生徒たち。さすが、学年でも知名度が高い。
彼の名はルーク・エイドリアン。常に明るくポジティブで、生徒からも人気がある。ただ、彼は——
バカなのである。しかも、魔法を使うのが下手というおまけ付き。
なぜアンカーになったかというのも、特に深い意味はなく。ただ最後になったら盛り上がるのでは?…という安直な考え方である。
まさかアンカーがジークでファンクラブまで連れてくるとは…、実に予想外だったわけで。これで、私たちの反応も納得がいったでしょ?
もう少し真面目に順番を決めればよかったと、後悔したのは言うまでもない……。一体どうなるのやら?
次回、第七十二話。お楽しみに☆