コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: えっ、今日から私も魔法使い!?【オリキャラ募集中】 ( No.191 )
- 日時: 2015/06/07 19:30
- 名前: 雪兎 (ID: VIeeob9j)
第七十三話 <何でもアリな体育祭編>
当然この結果を、他チームが大人しく見ているはずもなく。
「なな、何なのよ、アレ!羨ましすぎるわ……じゃなくてっ。ああ、今すぐ行きますわ、愛しのジーク様ぁ!」
「おお、かっけーな!俺もキャーキャー言われたいぜっ!!」
…俄然、闘志を燃やしていた。動機は違えど目的は同じとばかり、両者血眼になって辺りを見回している。
あっ、ちなみに私は、もうチームに戻ってます。
「おおっ、お題は『黄色いもの』かあ。…おっ、その頭の上にあるやつくれよ!」
「ふん、お題は『白いもの』……。あっ、あなた!そのハチマキ寄越しなさい!」
お互いがお互いのハチマキを奪い合うことに…!?
ああ…。事実ルーク君にはこれっぽっちも期待してなかったけど、これには同情するなあ。
熱狂的なジークファンの女子(以後、熱子さんと呼ぶことにしよう)の剣幕に、思わず後ずさるルーク君。
「おーい、女子に押されてんじゃねえ!」
「そうよ、気合い見せなさいよ!」
白チームから、ぎゃいぎゃいとヤジが飛ぶ。それに負けじと黄チームからも、「バカは馬鹿らしく道開けろーー!」の叫び声。
二人はハチマキをめぐって何やら争っていたようだったが、砂煙の中、最初に飛び出してきたのは熱子さんだった。
…そしてその手には、白いハチマキが。
黄チームがどっと沸き、熱子さんが勝利を確信して笑みを浮かべた。…それに対し白チームからは、「ですよね〜」という心の声が混じった溜息が。
「ううう、いてて…あの女、てがけん…間違った、てかげん無しかよ?おーい、待て〜!」
なにを思ったのか、足をもつれさせながら後を追うルーク君。あきらめムードの白チームが見守る中、
———盛大にこけた。
ドッと、バラエティ番組のように前のめりに倒れる白&黄チーム。しかし、それだけでは終わらず。
ぶぉぉぉぉっ!という音とともに、砂煙を巻き込んだ水が、竜巻のように熱子さんに迫る。
「えっ、何……きゃあああごぼごぼごbgbgbg……」
「どうやら、転んだ拍子に魔法が発動したみたいだね…」
隣でエリオット君が、苦笑いを浮かべる。まったく、熱子さんも熱子さんで災難なものだ。
「お?なんかわかんないけど、ラッキーラッキー。へっへ、もらってくぜ!」
くるくると目を回して倒れている熱子さんの頭から、容赦なくハチマキをもぎ取るルーク君。そして、そのままゴール。
…観客たちは呆気にとられ、白チームからは歓声も上がらず。
「いえーい!俺はやったぜー…ってあれ、みんなどしたの?」
得意げに周囲を見回すルーク君は、歓声がないことを不思議に思ったのか首をかしげている。
はあ、まあなんというか…。黄チームの皆さん、ドンマイ!!
次回、第七十四話。お楽しみに☆