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えっ、今日から私も魔法使い!?【参照2000突破感謝!!】 ( No.201 )
日時: 2015/06/28 21:56
名前: 雪兎 (ID: VIeeob9j)

第七十六話 <何でもアリな体育祭編>

首都ベルクール。

その街は、今日もにぎわっていた。立ち並ぶ店には魔法でネオンが点っており、夜であるにもかかわらず道行く人は絶えない。

その中心部から少し離れたところにたたずむ、巨大な建物。

一見すると城のようなそれは、とにかく異様に目立っていた。外壁も屋根も灰白色で、少なくとも五階建てくらいはあるだろうか?

その最上階の一室に映る、二人の男女の影。



少女はグラスを傾けて言った。「ああ…今日も夜景がきれいね。そう思わない?…トム」

少女の手が、椅子に座っている青年の肩におかれる。……しかし何の反応もない。

艶めくロングヘアーは紫色。深い青色の瞳に黒いワンピースを纏った彼女は、実年齢よりもずっと大人っぽく見えるだろう。

対して青年は、黒いタートルネックにに黒いジーンズ。少女の放つ輝くようなオーラとは違い、深く落ち着くような暗い雰囲気を持っていた。

少女——フリージア・ストランベリーは、つまらなそうに溜息をついた。「ホント、かわいくなーい。…ま、それよりも」

胸元を彩るペンダントをいじりつつ、もう一方の手を頬にあてて。

「おじさまも、意地悪な人よねえ。せっかく能力者増やしたり『アレ』盗んだり、いろいろ面倒なことしたのに。ぜーんぜん行動を起こしてくれないんだもの」


…無反応の青年を見て、また溜息をついてから。

「さーて。あっちはどう動くのでしょうねえ?」

形の良い唇の端を吊り上げ、フリージアは目を細めて笑った。


今回は短くてすみません!また近いうちに上げます…多分。

                  次回、七十七話。お楽しみに!