コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- えっ、今日から私も魔法使い!?【参照2000突破感謝!!】 ( No.212 )
- 日時: 2015/08/16 23:45
- 名前: 雪兎 (ID: VIeeob9j)
第八十三話 <何でもアリな体育祭編>
「ふっふっふ。やっと俺のターン、っスねッ!!」
ハク君が、ボールを持ったままわずかに身をひねる。……投げてくる!
「み、みんな気を付けろ!」
残った男子生徒の一人、コナー君が声を張り上げつつ、ハク君から距離を取るべく後ずさる。———と、その時。
「わっ!?」
「コナー君!」
コナー君が……転んだ!?
「へへっ、隙アリっすっ」
それをハク君が見逃すはずもなく、すかさずボールを投げつけた。
ボールはコナー君の左腕にヒットし、バウンドした玉はリュネがしっかりとキャッチする。
「く、そ…何でだ?」コナー君が悔しそうに顔を歪める。私も同じだった。校庭にはつまづくものなんて、何もなかったのに…!
「…そう。あなた、何か細工したのね」
キャンディさんが、低く告げる。その眼は、恨めしそうに細められていた。「へっへ〜ん。さあ、どうっすかねえ?」
「……ああっ!そこ、足元!」エリオット君が突然叫んだ。みんなが一斉にそちらを見る。
———そこには、不自然な3センチほどの小石が落ちていた。
「これ……地面から突き出てるっ」
そして生き残った女子生徒——エレーナちゃんがそう言って、小石を指さした。言われてみれば確かに、落ちている、というよりは突き出ているといった感じだった。
ちょうど、木の根っこが地面に露出してしまっているのと同じようなものだ。
「……隊長の強力な力魔法、フリト・ノイモーントの多種多様、予測不可能な魔法攻撃…ハクの姑息な罠。……八方塞がり、どうする」
リュネが爪を噛む。
——何か手だてを考えないと。———こんな時、ジークだったらどうするだろう?…こんな時になぜか、あいつの顔が浮かんできた。
「あいつ、だったら……」
「フィリア?」
私が役にたてるのは、きっと魔法とか力じゃない。
「———みんな、落ち着こう。まずは、敵の攻撃を分析すること。焦って攻撃ばっかりしようとしても、無意味だよ」
私は、できるだけ静かに、落ち着いた声を出すように意識した。この場に必要なのは———リーダーだ。
「そ、その通り、ですけれど……でも、何か策はあるんですの?」
「うん。それはね———」
皆が、ゴクリと唾をのみこむ。注目が集まる———!
「まあ、後で考える…ってことで。次回をお楽しみに☆」
ガックーッ。
………とまあ、おなじみのオチも付いたところで、次回へ続く!
次回、第八十四話。お楽しみに☆