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えっ、今日から私も魔法使い!?【参照2000突破感謝!!】 ( No.216 )
日時: 2015/09/21 21:34
名前: 雪兎 (ID: VIeeob9j)

第八十六話

私立エルフォード学院。

その学院の生徒であることを表す、指定の制服を身に着けた4人の男女が、とある部屋に集められていた。————部屋に用意された椅子は5つ、一つだけの空席は……どこかさみしげだ。

4人の表情は様々だ。不機嫌そうにしているもの、楽しそうにしているもの、あるいは無表情なものなど様々だ。———と、部屋の扉が開いた。


「あらあら、皆さんお揃いで。……待たせちゃったかしら?」入ってきた紫色のロングヘアーの少女———フリージアは、妖艶な笑みを浮かべながら言った。

その後に続いて、全身黒服の青年が入ってきたのだが、全員気づく様子もない。

「……っ、あったりまえでしょうっ!?そっちから呼びつけておいてっ」艶めく黒髪を持つ少女———フレアが激昂するが、周りを見渡すと慌てたように椅子に座り、コホンと咳ばらいを一つする。


「フレアの言うことももっともだ。本当にお前らを、信用していいのか?」けだるげに口を開いたのは、ライムだ。

「もちろん。見事に作戦を失敗したあなたたちに、必ず手を貸してあげるって、言ってるじゃない」


フリージアの皮肉に、ムッとなったライムを、赤毛の少女———ユズカがなだめる。「まあまあ、本当のことなんだしさ」

すると、その様子を見ていたフレアが、思い出したように周囲を見回した。「そういえば〜。アークは来てないみたいだけど〜?」

その問いに、今まで一言も言葉を発しなかったルカが、口を開いた。

「……アーク君は、『面倒だから出かけてくる』って……」

「フン、やっぱ勝手な奴だよな。———それで?お前が俺達を呼び出したってことは、つまり……」

ライムに視線を振られたフリージアは、赤い唇に指を当て、ふふっと笑った。

「ええ、そうよ。———準備は大体整ったわ。近々実行に移す予定よ」


その言葉に、ユズカガ嬉しそうに立ち上がった。「本当!?やった〜、またあの子たちと会えるんだねっ。楽しみ〜!」

「……ああ。待ってろよ、今度こそ必ず俺が……!」ライムの瞳は、窓の外———はるか東を見つめていた。