コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: えっ、今日から私も魔法使い!?【募集あり】 ( No.24 )
- 日時: 2014/09/28 23:05
- 名前: 雪兎 (ID: hqWYiecP)
第四話
「決闘」騒動が収まり、やっと落ち着いた学園内では、入学式が行われていた。
そして私、フィリア・ヴァレンタインは、約数十分にわたって校長の話を聞かされている訳だが、さすがにもう勘弁してほしい。
さっきから周囲では、当然ながらあくびをしている生徒が多く、貧血で倒れ保健室に運ばれる者も後を絶たない。
ついには立ったまま寝る者も現れ、さっき派手にぶっ倒れたのちに担架で運び出されていった。きっとみんな長時間立っているのになれていないのだろう。
生徒たちの間に不機嫌そうな顔のジークも発見した。きっとさっきの騒動のことでたっぷりしかられたに違いない。
こんなことを考えながら校長の話をまとめると、こうだ。
・この学園には、魔法を使えるものと使えないものがおり、使えないものは必ず武器を持つ必要があるということ。
・平日は学校の敷地外に出てはいけないが、土・日の週末だけは街に出ることを許されるということ。ただし、門限は7時まで。
・「決闘」は、先生の許可がない限り絶対に行ってはいけないということ。
・最近、校長の愛犬・パルが、子供を産んだということ。
・学園では月に一度グループ対抗戦が行われ、魔法を使えるもの・使えないもの混合で五人グループになって対戦し、一位のグループは成績が一気に上がるということ。なお、組み分けは先生が決め、対抗戦は二週間後。
・・・こんな感じである。
関係ない話も混ざっていたような気もするが、まあ気のせいだろう。
長かった校長の話も、もうすぐ終わろうとしていた。
「・・・というわけでですね、皆さんも長い話は嫌いだと思いますのでね、これくらいで、私の話は終了とさせていただきます。生徒のみなさんは、各自昇降口のクラス分け表を見て、自分の教室へ向かってください。」
・・・アンタ、一体何十分話し続けたと思ってんですか。
そんな生徒たちの心の声が、聞こえたような気がした。
一方その頃。
セント・ブラックウェル学園の上空に、怪しい影が三つ。
「ねぇライム君、適当にブッ放しちゃって良い?・・・めんどくさいから、さっさと終わらせちゃいましょうよ。」
流れるような黒髪の少女が、美しい声で物騒なことを言う。
「ええー?みんな、ぺちゃんこに潰れちゃったりしないかなあ。」
次の声は、さっきとは違い優しそうな声。
「まあ待て、フレア。今日は様子見だと言っただろう。帰るぞ、二人とも。」
最後に黒髪の少年が、冷静に返す。
「・・・ライム君がそういうなら、仕方ないわね。・・・行くわよ、ユズカ。」
「はーい♪」
次の瞬間にはもう、三人の姿は消えていた。
次回、第四話・後編。お楽しみに。