コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: えっ、今日から私も魔法使い!?【募集あり】 ( No.6 )
- 日時: 2014/10/29 16:00
- 名前: 雪兎 (ID: hqWYiecP)
第一話
その日、ちっぽけな庭にある郵便ポストから一枚の手紙を取り出したとき、私は心臓が飛び出るほど驚いた。
ふちが金色の模様で飾られた真っ黒な封筒を裏返すと、ありえない単語が目に飛び込んできた。
『私立セント・ブラックウェル学園より』。
見間違いだ、絶対そうだ。
何度も目をこすって見直したが、その文字が変わることはなかった。
セント・ブラックウィル学園・・・
家柄が良く、お金持ちの子供たちが通う超セレブ校。
私とは、一生関わることのなかったはずの学園。
そこには確かに、『フィリア・ヴァレンタイン様へ』と書かれていた。
間違いない・・・私の名前。
とりあえず状況を整理するため、私は家の中へと駆け込んだ。
「おとーさーん!」
作業場の前で急停止し、引き戸をバンッ!と開ける。
中では父、二ール・ヴァレンタインが、金槌で真っ赤な鉄をたたいていた。
無言で振り返る二ール。
私はゼェハァ言いながら何とか言葉を搾り出す。
「お父さん・・・悠長に、鍛冶屋やってる場合じゃないよ・・・!これ見て・・・これ・・・」
私は黒い封筒を差し出す。
だが二ールは受け取ろうとせず、とんでもないことをつぶやいた。
「ああ・・・そうか。もう来るころだったな。よしフィリア、荷物まとめてあるからさっさと行け。遅刻するぞ。」
はい・・・?
お父さん、今なんて・・・?
「あの、お父さん・・・。冗談だよね、まるでセント・ブラックウィル学園に行けっていってるみたいだったけど・・・。」
すると二ールは、何を言っているんだという風に口を開いた。
「そのとおりだが・・・何か?」
は・・・
はあああああああああ!?
「ち、ちょっとまってお父さん!何で私が!?・・・そもそもそんなお金どこにあっ・・・ってわあっ!?」
あわてて抗議しようとすると、何者かに腕を強くつかまれた。
そしてそのまま、出口へと引っ張られていった。
「っ!お父さん助けて!」
大声で叫んだが、二ールはただ手を振るばかり。
その口が、「行ってらっしゃい」と動いた。
な、何で・・・!
扉が、バンと閉まった。
・・・!!
私は、おそるおそる後ろを振り返る。
そこには、
「ジーク!?」
私を面白そうに見つめ返す、あいつが立っていた。
「よ。久しぶり、フィル。」