コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: えっ、今日から私も魔法使い!?【募集あり】 ( No.78 )
- 日時: 2014/10/29 16:30
- 名前: 雪兎 (ID: hqWYiecP)
第十話・後編
「えー、では対抗戦のルールを説明する」
スピーカーから、眠そうな中年男性の声がした。
みんなもその声が流れると同時に、一気に真剣な顔つきになる。
「えー、ルールは簡単。校内に隠された『黄金の女神像』を発見し、最
初に触れたものが勝ち。ヒントは…どこかに隠されている。自力で見つ
けること。…また、探索の途中で出会ったチームは見つけ次第排除す
ることをお勧めする。武器や魔法を使っても、君たちが着けている校章
がダメージを代わりに受けてくれるので命に別状はないが、受けた痛み
はそのまま体に伝わるようになっているので覚悟すること。
また校章が受けたダメージが一定以上たまると戦闘不能になる。チーム
全員が戦闘不能になった場合は失格。以上」
そこで、放送はぶつりと途切れた。
「なんか、すごく眠たくなる放送だったね…」
リリアンが、ふああとあくびをしながら言う。
「うん。」
確かに昨日は緊張で眠れなかった。その分眠気がピークに…!
「おいお前ら、ちゃんと武器は持ってきたか?戦闘の途中で寝るなよ。」
ジークが、顔に薄笑いを浮かべていった。そんなジークを、ハク君がキラキラした眼差しで見つめている。
「寝るわけないでしょっ!」
その直後、再び対抗戦開始を伝える放送が入り、地面を揺るがすような大砲の音が響いた。
「…しゃっ、行くぜお前ら!」
「おおおー!」
案の定いきなりジークが飛び出し、それにうれしそうなハク君が続く。
「もう、待ちなさいっ!…リリアン、行くよ!」
「ほえー、若いことは良いことだにゃぁー。」
「ていうか老人化しない!ツッコミ私だけかよ!?」
極度の緊張からおばあちゃんモードに入ってしまったリリアンを引きずり、私は慌てて二人の後を追いかけた。
…先が思いやられるなあ。
次回十一話、いよいよ戦闘開始。お楽しみに☆