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第十七話　＜対抗戦編＞

…とりあえず、今の状況を整理しよう。

まず、最初に飛び出してきたおさげ髪の女の子は、ロゼッタ＝シャルロッドさん。

うつ伏せでズザザーッと地面を滑った後、慌てて立ち上がって「あっ、あのあのっ…すみませんでしたっ！」とさっきから気の毒なほど何度も頭を下げている。そしてなぜか分厚い本を大事そうに抱えている。

金髪碧眼の男の子はプランス＝トランジスタ君。

とにかくものすごい美形。…なのだが、さっきからしきりに鏡を見ながら「ああ、僕はなんて美しいんだろう…」と、うっとりと呟いている。これが残念なイケメンというヤツだろうか…。

その様子を見たジークが「げっ」と呟いて露骨に嫌そうな顔をしたのを、私は見逃さなかった。確かにジーク苦手だもんなあ、こういうタイプ。

最後の女の子はご存知キャンディ・セイレルさん。

少し銀がかった金髪は綺麗にカールしている。
さっきから手にした扇で不満げに顔を仰ぎつつ、ワンピースの汚れを落としていた。…うっわ、すっげー高そうなワンピース。

何かすごい状況になってきたな…。

ジークはもう興味をなくして飛び回る虫を捕まえようと奮闘しているし、ハク君は何とか状況を理解しようとキョロキョロ辺りを見回し、リリアンにいたってはもう口をあけてポカーン状態である。

ねえ君たち、今対抗戦中だよ…？

その奇妙な空間を切り裂いたのは、突如現れた三人組に向けて発せられたカイル君のとんでもない一言だった。

「あの、そこのあなたたち。」

カイル君は怪しげな笑みを浮かべて、

「私と一緒に、ジーク君たちと戦ってはくれませんか？」

　　　　　　　　　短くてスミマセン！次回、第十八話。お楽しみに☆