コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: えっ、今日から私も魔法使い!?【募集あり】 ( No.89 )
- 日時: 2014/11/02 22:12
- 名前: 雪兎 (ID: hqWYiecP)
第十八話 <対抗戦編>
……はい?
つまり、敵チーム同士が協力して戦うってこと?
「はい!質問です!」
ハク君が、ぴょこんと手を挙げる。
「カイルさんとプランスさん達が、一時的にチームを組むということで合ってますか?」
カイル君は、ニッコリと笑って答えた。
「そうです。数もピッタリですし、その方が盛り上がるじゃないですか?」
…面白さ重視かいッ!
「でもでもー、そんなコトってルール的にありなのぉ〜?」
リリアンも、首をかしげて質問する。
確かに、それは私も気になってた。
するとカイル君が、目の焦点を後ろの大木に移して言った。
「そればかりは、聞いてみないと分かりませんね。…いいですよね、ギルバート隊長?」
へ?ギルバート隊長?
その名前を聞いたジークが、ビクッと反応する。
それと同時に、大木の陰からギルバート隊長がしかめっ面で姿を現す。
「どうして気づいたんだ?」とでも言いたげな顔をしていた。
そしてなぜかつかつかとジークの前に歩み寄り、目に冷たい光を宿しながら言い放つ。
「まあそのことだが…『問題を起こさなければ』、許可しよう。」
こ、怖い…。ライオンみたいだ…。
さすがのジークも隊長には逆らえないようで、引きつった笑みをうかべながら「イエッサー…、ボス。」と返した。
「というわけだから、皆フェアプレーの精神を持って戦うように。以上!」
その言葉を残して去って行く隊長。なんて男らしいんだろう…
残ったのはなんとも重苦しい空気。
その空気を切り裂くように、ジークがパンパンと手を打ち鳴らした。
「さあみんな!またギルバみたいな邪魔が入る前に、さっさとおっ始めようぜッ!!」
言いつつ鎌を振りかぶる。アンタ気合入りすぎよ…。
それに応戦するように、キャンディさんが不満の声を挙げる。
「ちょ、ちょっと皆さん!何勝手に話を進めてますのっ。だいたいこんな野蛮…きゃあっ!」
最後まで言い終えないうちに、踏み込んできたジークの大鎌によってセリフを強制割愛されたキャンディさん。
「何するんですのーーッ!!」
「ほらほらあ、あんたらもかかって来いよォ?やられっぱなしは癪だろ?ま、降参するってんなら今のうちだぜ。」
その言葉に、プランス君の笑みが一瞬引きつる。ホント、ジークは挑発が上手いんだよなあ。
「フン…戯言を!よろしい、僕の華麗なフェンシングをとくとご覧あれッ!」
プランス君は腰にさしていたレイピアを引き抜き、突きの構えで飛び出した。
「援護しますわ!」
さっきのお返しとばかりに、キャンディさんも魔方陣から紫色の雷を召喚し、ジークにたたきつける。雷属性か…すっごい威力!
「へっ、おもしれえ!…でも、こんなのかんたんに避けられ…」
「ふふっ、甘いですわ?」
キャンディさんが不適な笑みを浮かべる。…まずい!
私は衝動的に叫んでいた。
「ジーク、ちゃんと前を見て!」
「ッ!?」
雷で目が眩んだスキを狙ったかのように、完璧なタイミングでプランス君が飛び出してきた。
「悪いね!不意打ちは得意なのさっ!」
でも。
ジークはそんなにヤワじゃない。
突き出されたレイピアを、なんとか間一髪でかわした。危な…!
「ヘヘ…スリルがある戦いほど、楽しいモンはねえなぁ!?」
見てるこっちがヒヤヒヤするわッ!!
☆
そんな戦いを見ていたロゼッタは、胸にかかえた本をぎゅっと抱きしめて言った。
「み、皆さん頑張っているのですから、私だって…!」
次回、ロゼッタの魔法発動!お楽しみに!