コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: えっ、今日から私も魔法使い!?【募集あり】 ( No.91 )
日時: 2014/11/06 23:09
名前: 雪兎 (ID: hqWYiecP)

第二十話 <対抗戦編>

フィリアたちが熱い戦闘を続けていたその頃。

エリオット・ロジャースは、見事に仲間とはぐれていた。

「嘘だろ…まだ開始から十分も経っていないのに」

はあ、とため息をつく。自分の不運さにはつくづく参ったものだ。
とりあえず仲間を探そうと、気合を入れていたその時。

バキューンッ!!

「うわぁっ!?」

な、何…銃声!?

へなへなと座り込むと、ちょうど足元に黒い弾痕が見えた。

これ…僕を狙ったのか?

弾痕を触ろうとした時、頭上から鈴のような声が聞こえた。「……誰」

「ひっ!?」

反射的に声のしたほうに目を向けると、白髪の少女が自分に銃口を向けていた。
星型のボタンで留められた白いマントに、白地に金色の刺繍が入った高貴なワンピース。そしてそれに似合わない二丁の拳銃。

何故か頬が熱くなってゆく。…恐怖より本能が先に反応したのか、自分でも恥ずかしくなった。

少女は言った。「誰、と聞いてる」

「は、はいっ!ぼ、僕はエリオット・ロジャース…です…」

思わず名乗ってしまったが、いいのだろうか。
だが彼女の金色の瞳は、僕が答えなくても何でも見透かしてしまいそうな、とても澄んだ色をしていた。

「そう…では、聞く。ここら辺を、金髪の少女が通らなかった?」

「え…金髪?」

どうだろうか。…というより先に、自分が人に会っていないことに気づく。

「いやあ、会ってないけど。知り合い?でも探すなら、金髪だけじゃヒントが足りないかなあ。」

少女は拳銃を突きつけたまま首をかしげる。そしてしばらくすると口を開いた。「緑色の、瞳…。」

緑色……そうか、僕が知っている限りでは一人だけだ!

「それってもしかしてフィリアのことかな?」

「フィリア……」

「そう!ねえ、もしフィリアを探しているなら、僕も手伝うよ。…こんなこと変かもしれないけど。ね、いいよね?」

僕はほとんど押し付けるように言った。…女の子を守れという父さんの口癖のせいか、一人で森を歩くことへの恐怖心からなのかは、定かではないが。

少女はまだ怪しんでいるのか、拳銃をしまわずに言った。

「じゃあ、先に歩いて」

「…はい。分かったよ」

こうして僕らは、一緒に行動することになったのだが…。

                 次回、第二十一話。お楽しみに。