コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: ジャムのように甘く優しい恋物語 ( No.11 )
- 日時: 2014/09/29 21:10
- 名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)
ハニーside
昨日私を助けてくれた徹くんは、ひとつ上の3年生だってことがわかった。
彼は私に会った際、「どんな呼び方をしても構いませんよ」と言ったので、私はこれから彼のことを、親しみを込めて徹くんと呼ぶことにした。
それにしても彼は、私とひとつしか変わらない中学3年生なのに、なんて大人っぽいんだろう。
クラスでみんなが騒いでいても、ひとりだけみんなの様子を達観しているし、人の意見を尊重して、それを最優先に考える優しい人だという印象がついた。けれど、彼にそれを伝えると彼はニヒルな笑みを浮かべ、
「お嬢さん、よしてください。俺はあんたの思っているような人間じゃあない。それに俺より優しい奴なら、この世にごまんといますぜ」
ポン!と軽く私の肩を叩いて、その場を立ち去る彼を見て、改めて、なんてカッコいい人なんだろうと思った。
☆
ところで、私のクラスでは、女子の好みの子が見事にふたつに分かれている。
私以外の女子の人気を独占しているのは、ヨハネスくんとフレンチくんという、ふたりの美少年。
名前からしてわかる通り、彼らは日本人じゃない。
ヨハネスくんはドイツ、フレンチくんはオーストリアから、それぞれ転校してきた。
彼らのルックスは、私もちょっとびっくりした。ふたりとも、本当に男の子なのかと思えるほど綺麗な顔をしていたからだ。
ルックスだけじゃなく、運動神経も抜群で、成績もよく人あたりもいいため、おおよそ欠点らしい欠点がない。
まさしく彼らは非の打ち所がない完璧な美少年と言っても過言ではないだろう。
そのため、私を除く女子全員…正確に言うと他のクラスの女子も、彼らふたりにメロメロだった。
けれど、不思議なことがある。
彼らが転校してきて3か月以上にもなるけど、彼らはこんなに人気があるにも関わらず、女の子と付き合っていない。
ルックスよし、成績よし、性格よし、運動神経よしのふたりなのに、どうして彼女を作らないんだろう。
この謎は、私たちの間で持ち切りだったが、今だにその謎を解けた人はいない。
一体どうして、彼らは彼女を作らないんだろうか。