コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: ジャムのように甘く優しい恋物語 ( No.14 )
- 日時: 2014/09/30 15:38
- 名前: モンブラン博士 (ID: CMSJHimU)
ハニーside
どうしてヨハネスくんとフレンチくんは彼女を作らないんだろう。
気になった私は、まず仲良しの美雪ちゃんに彼らのことについて聞き出すことにした。
美雪ちゃんはチョココロネのような髪と大きな瞳が印象的な可愛い女の子だ。
入学した時から同じクラスで仲がよく、かなりの情報通なので、こういうときには頼りになる存在だ。
私は席に座って本を読んでいる、美雪ちゃんに声をかけた。
「美雪ちゃん、ヨハネスくんとフレンチくんって恋人とかの噂がないけど、どうしてなのか知ってる?」
「うん。調べてみたんだけど、あのふたり、前の学校でもそうだったんだって」
「どうして彼女つくらないんだろ?」
「うーん。わかなんない」
「そっか。ありがと」
「ううん、いいよ、これぐらい。どういたしまして」
彼女にお礼を言って、教室を出る。
今は給食が終わった後の中休みだから、教室の外へ出ても問題はない。
徹くんに聞いてみようかな…
そう思って歩いているとプールの近で徹くんがフレンチくんと話していた。
なんだかフレンチくんが珍しく怒っているようだけど、一体どんな会話をしているんだろう。少し聞き耳を立てていると、こんな会話が聞こえた。
「先輩は僕が美しくないっていうんですか!」
「ああ、全くな」
「校内一の美少年であるこの僕に向かってそんなことをいうなんて、あなたはどうかしていますね」
「それをいうなら、先輩に礼儀知らずな後輩もどうかしているな」
フレンチくんはキッと彼を睨みつける。
けれど徹くんは、それに動じることなく、涼しい顔でこう告げた。
「この世には可愛さより大事なものがある。お前にはそれが何かわかるか?」
「可愛さより大切なものなんて、あるわけないでしょう。可愛さこそ正義、可愛さこそすべて、可愛ければ何をやっても許される。これが世界の常識ですよ」
「…答えは、『生き様』って奴だ。お前も男なら、外見だけじゃなく、カッコいい生き様も見せるんだな」
彼はフレンチくんの背中をポン!と叩いて彼をよろめかせると、私に気づいてニヒルに笑った後、「また会おう」とだけ言って、その場から去って行った。
まさか、徹くんがフレンチくんを怒らせたのは、私に彼の本性を見せるためじゃ…
そんな考えが、しばらく頭の中でグルグルと回っていた。