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Re: ジャムのように甘く優しい恋物語 ( No.18 )
日時: 2014/10/05 20:48
名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)

フレンチside

僕は昔から、「可愛い」「美しい」とよく言われる子どもだった。
実際、僕は自分がこの世で一番美しい子どもだと信じて疑わなかったし、それを否定する人もまたいなかった。

僕は美しいから、あらゆる面で優遇されたし、自由に振る舞うこともでき、学校中の女の子はみんな僕にメロメロで、僕はいつも綺麗な女の子たちに囲まれて幸せだった。
日本に来てもそれは変わらなくて、前の学校でもすぐ僕のファンクラブができて、学年中のチョコレートを独占した。

けれど、今回の学校はどうだろうか。

僕の容姿と匹敵するほど美しいと評判の美少年、ヨハネスが折しも僕と同じ学校に、しかも同じ日付に転校してきた。彼の前評判は、故郷であるオーストリアでもよく聞いていた。
彼は、僕と違ってピアノができる。
僕はフルートなら誰にも負けない自信があるけれど、ピアノは弾けない。
だから、彼が憎くて憎くてしかたがなかった。
けれど当の本人は、まるで僕なんて眼中にない様子で学校生活を謳歌しているじゃあないか。

それが、僕は許せなかった。

彼のせいで、女の子の人気が二分してしまった!
彼さえ現れなければ、僕はクラスの女の子たちの人気を独占することができたのに!

しかも、僕に起きた出来事はそれだけじゃなかった。
突然僕の前に現れた徹とかいう先輩が、僕の可憐な美貌にケチをつけてきやがった。
なんでも、「可愛さより生き様のほうが大事」とか言って、僕の「可愛いは正義」の持論を粉々に砕いた。

これは、僕への挑戦状だと思う。

見てろよ、必ずあんたとヨハネスにぎゃふんと言わせてやるんだから!