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Re: ジャムのように甘く優しい恋物語 ( No.23 )
日時: 2014/10/05 20:50
名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)

アップルside

「きみのことが、好きなんだ…!」

それは、休み時間の時だった。
なんと、僕のいるクラスにヨハネスくんがやってきて、僕に愛の告白をした。

「僕はずっと、きみの事が好きだった。もし、きみが良ければ、付き合ってもらえないかな?」

その言葉に、僕の頭は混乱する。
ヨハネスくんは、ずっと親友だと僕は思っていたけど、彼は僕を恋人として見ていたんだ…
嬉しいような、それでいて辛いような、複雑な気持ちが、僕の心の中を満たす。
僕は、これからも、ヨハネスくんと仲良くしていきたい。
けど、付き合うとなったら—僕は彼の恋人になる自信がない。
けど、いきなり断るのも考えものだ。
もう少し時間を置いて答えを出すことはできないだろうか。
すると、彼は口を開いた。

「返事は、ゆっくりでもいいから」

それだけ言って彼は立ち去ろうとする。けれど、それをいじわるなクラスメートが見逃すはずもなかった。

「ヨハネスお前、ホモだったのかよ」

帰り際の彼に向って声をかける。
すると、彼はそれにビクッと反応した。

「お前、女みたいな奴だとは思っていたけど、まさか男を好きになるとはな」

数人の心ない男子が彼を囲み、「ホモだ」と騒ぎ立てる。
酷い。彼は、ただ僕の事が好きで、勇気を振り絞って僕に告白したかもしれないのに、そんな言い方するなんて!
僕がそれを止めようとしたその刹那、張りのある低音ボイスが響いた。

「よお、フロイライン。久しぶりだな、元気にしているか?」

3年生の徹さんが、ゆっくりと教室に入ってくる。
そして、いじめっ子の男子たちに囲まれて泣いているヨハネスくんといじめっ子を交互に見つめて言った。

「悪いと思ったが、話は聞かせてもらったぜ…別に、男が男を好きになってもいいじゃねぇか。好きになる人の好みってのは、人それぞれ。だから、何も気にすることはねぇ。コイツは、勇気を出して、好きな奴に告白したんだ。コイツにはコイツの愛の物語がある。それを笑う奴は—」

彼はボクシングのファイティングポーズを取り、

「俺が相手をしてやろう」

そして彼がギロリと殺気立った瞳でいじめっ子たちを睨むと、彼らはまるで借りてきたネコのようにおとなしくなり、教室を出て行った。

「おっと、俺も用事を思い出した…あばよ、フロイライン。また遊びに来るぜ」

徹さんは右手をズボンのポケットに入れて、悠々と立ち去った。

彼の助け舟でピンチを脱したと感じた僕は、過呼吸になっているヨハネスくんの手を引いて、保健室へと向かった。