コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: ジャムのように甘く優しい恋物語【キャラ応募開始!】 ( No.35 )
- 日時: 2014/10/03 21:57
- 名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)
ハニーside
土曜日、私は、仲良しの美雪ちゃんと公園で待ち合わせする約束をしていた。
公園で会った後は、デパートで行われる特撮ヒーロー『カイザーマン』のショーを見に行く予定だ。
私は小さい頃から、ヒーローが大好きだった。正義のために悪と闘い、みんなの幸せを守るヒーローになりたいというのが、私の夢。
ちょっと男の子っぽい夢だけど、パパとラグくんは応援してくれる。
ふたりの声援に答えるためにも、いつかカッコいいヒーローになってみせるっ!
「ハニーちゃぁぁん」
間延びした声と共に、美雪ちゃんがやって来た。
今日はピンクの可愛らしい服を着ている。
「お待たせっ!実は、もうひとりお友達を連れてきたんだ〜♪」
「えっ!?」
すると、彼女の後ろから、天然パーマの長い髪が特徴の小柄な女の子が現れた。
ほんわかした雰囲気で、なんだかお花畑の景色が似合いそうだ。
「あ、青井紗夜ですっ。こんに、ちは…」
青井さんは、少し俯き加減でもじもじしながら口を開いた。
「うん、これからよろしく!」
彼女がびっくりしないようにそっと手を掴んで、その手を両手で優しく包みこんであげる。
すると、フッと彼女が顔を上げ、ほんの少しだけど、微笑んでくれた。
少しだけ打ち解けた雰囲気を作ることができたので、今度は趣向を変えてみようと、3人並んで歩きながら、話すことにした。
最初は遠慮がちだった青井さんも、徐々に話し始めるようになり、好きな子の話になると、先ほどとは打って変わって、積極的に相槌を打つようになり、口調も敬語ではなくなっていた。
もしかすると、彼女は人付き合いが苦手で、あまりクラスのみんな仲良くできていないのかもしれない。
でも、こうして私たちと話すことができるんだから、本来は明るくて話し好きな性格なのかもしれない。
「青井さんは、好きな人とかいるの?」
「うん…私ね、剛力徹先輩のことが好きなのっ」
「えっ…青井ちゃん、剛力先輩のことが好きなの!?」
美雪ちゃんが言うと、彼女は人差し指を自分の口に当てて、
「しーっ、声が大きいよぅ」
「ごめんごめん、あんまり驚いちゃったもんだから、つい…それにしても、どうして好きになったの?」
「…1年前、足を踏み外して、階段から転げ落ちそうになった時、助けてくれて、『お嬢さん、気を付けな』って言ってくれたのが、すごく嬉しかったの…!」
「剛力先輩って男らしくてカッコいいよね。絶対クラスの女子からモテると思うよ」
「でも、なんだか違うみたいで…」
「変だなぁ。ちょっとワイルドだから、近寄り難いのかもしれないね。でも、女の子があまり寄ってこないってことは、逆に話しかけるチャンスだよ!青井ちゃん、今度、剛力先輩のクラスに行って話しかけてみたら?」
「…うん、そうする!」
「がんばれ、青井ちゃん!」
やっぱり、励ましてくれる友達っていいなぁ…
ふたりの隣を歩きながら、私はそんな事を考えた。