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Re: ジャムのように甘く優しい恋物語 ( No.5 )
日時: 2014/09/29 11:14
名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)

ラグside

ハニーお嬢様。

ご主人様のお嬢様であらせられる彼女に、僕はいつの間にか、淡い恋心を抱いていたのです。

初めて会ったときから可愛いなとは思っていましたが、最近は彼女と顔を合わせるだけでもドキドキして、顔が苺のように真っ赤になるのが嫌でもわかります。

主人と執事の恋。
漫画などではよくテーマとして描かれるのですが、現実は結構大変です。

主従関係ですから、なかなか思い通りにいかないことが多かったり、歳の差があったりと、恋愛において何らかの障害はつきものです。
僕の場合、ハニーお嬢様とは同い年ですし、主従関係と言ってもそれほど重いものではなく、ご主人様が僕を家族同然に大切に扱ってくださりますので、それも問題ではありません。

ですが、唯一の問題点は、やはり、僕が人間ではなく、ロボットだ、ということでしょうか。
彼女は人間で、僕はロボット。
そればかりは、どんな魔法を使っても変えられない事実でしょう。

以前、そのことで落ち込んでいた僕に、ご主人様がロボットであるメリットを教えてくれました。彼によると、「歳を取らないことは言い事もある」そうですが、一体どんないいことがあるのでしょうか。僕は今だにその答えを見つけ出すことができていません。

ハニーお嬢様、僕はたとえあなたが僕の思いにお気づきにならなかったとしても、僕はあなたをずっと愛し続けます。
心の中でそう誓って、家のお庭にあるお花の水やりをすることにしました。もし、いつの日か、ハニーお嬢様が僕の思いに気づいてくれたら…

そんなことを考えながら、僕はお花の水やりを終え、家に入ろうとすると、玄関の方でひとりの男の子がニコニコと笑みを浮かべながら立っていました。

「ラグくん、久しぶりだね」

茶色のツヤのある髪にトロンとした半開きの眠そうな瞳、色白の肌に白いシャツに灰色のズボンをはいて、首にヘッドホンをかけた彼は—

「星野くん!」