コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: ジャムのように甘く優しい恋物語 ( No.6 )
- 日時: 2014/10/05 20:47
- 名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)
ラグside
星野天使くんは、僕の一番の友達の男の子です。
天使を自称しており、冷静で物知りかつ優しい、僕の一番の相談相手です。彼は普段、敬語で話すのですが、僕だけには、普通の口調で会話をします。
星野くん曰く「きみとは他人行儀で接したくない」からだそうで…
何はともかく、僕は玄関を開けて彼を通して、紅茶を入れて差し出しました。
彼は少しハスキーな声で「ありがとう」と言った後、一口紅茶を飲んで、僕に微笑みかけました。
「違ったら悪いけど、きみ、今好きな人がいるね」
「えっ…どうしてわかったんですか!?」
「だって、きみは前に会った時よりも、少し動作がオドオドしているんだもの」
星野くんは無口ですが、その分人をじっくりと観察し、的確なアドバイスをしてくれるので、ご主人様も頼りにしているのです。
しかも彼は、困っているというとき、抜群のタイミングで現れるため、彼にはいつも僕たちは感謝しているのです。
僕は少し顔を赤らめながらも、小さくコクリと頷きます。
「好きになった相手は、もしかして、ハニーさんかな?」
またしても彼に的中されたので、僕はただ頷くことしかできません。
この際ですから、彼に相談してみるのもいいかもしれません。
「あの、星野くん。僕、ロボットなのに、人間に恋をしてもいいんでしょうか?」
「もちろんだよ。ロボットでも人間でも、心さえあれば、恋はできるんだよ。これは、天使である僕が言うんだから、間違いはないよ」
彼の優しくもちょっとハスキーな言葉を聞いた僕は、涙で潤んで彼の顔がよく見えなくなりました。
「うう…っ、星野くん、ありがとうございます…今の言葉で勇気が持てました」
「僕は何もしちゃいないよ。でも、喜んでくれたのなら嬉しいな。
じゃあ、僕はこれで。困ったことが起きたら、またきみたちのところにやって来るからね」
彼は紅茶を飲み干し、指を鳴らし、まるで煙のように消えてしまいました。
彼の座っていた場所には、置き土産なのか、白い天使の羽が落ちていました。
星野くん、本当にありがとうございます。
僕は心の中で、彼にもう一度お礼を言いました。