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Re: ジャムのように甘く優しい恋物語 ( No.9 )
日時: 2014/10/16 19:53
名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)

ハニーside

学校の帰り道、私は数人の男子にからまれてしまった。

「よお、可愛い子ちゃん。俺たちとデートしないか?」
「嫌っ!」

振り向かずに走ったけど、途中で石に足を取られて転んでしまった。

「可愛い子ちゃん、もう逃げられないよぉ」

迫りくる男子たちに足がすくんで、声も恐怖のためでない。
そのとき、サッと誰かが私と男子たちの前に現れた。

「待ちな」

それは中学の制服を着た、がっしりとした体つきに彫りの深い顔立ちが特徴の男の人だった。
彼は何も言わず、強烈な拳で瞬く間に男子たちを殴り倒し、去って行こうとする。
私は彼を引き止め、お礼を言った。

「あの…ありがとうございました!」
「お嬢さん、途中でまたこんな奴らにあったら厄介だ。俺が家まで送って行ってあげますよ」
「えっ、でも…」
「大丈夫。俺も帰るところでしたのでね。気は遣わなくてもいい」

彼は私の隣に並んで歩き出した。



しばらく、無言の状態が続く。
彼は何も言わず、ただ私の横に並んで歩き続ける。

「あの、お名前はなんていうんですか?」
「俺は名乗るほどのもんじゃないですが…知りたければ教えんこともない。剛力徹。これが俺の名です」
「徹さんですね。私、ハニーって言います。ハニー=アーナツメルツ」
「ハニーお嬢さん、俺には敬語で話さなくても結構ですよ」

彼の言葉に甘えて、私は普通に話すことにした。

「さっきの拳、すごかったね。何か習っているの?」
「大したことありませんよ、ちょいとボクシングをやっていただけです」

そんな会話をしながらゆっくりと歩いていると、私の家が見えてきた。空は既に夕焼け雲に染まってオレンジ色になっている。

「それじゃあ、お嬢さん。また明日、学校で会いましょう」
「えっ、同じ学校だったの!?」
「フフフ、まあ、そう言うことです。それじゃあ、俺はこれで」

彼は私に背を向けアッと言う間に遠くへ去って行った。