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Re: ムニキス【オリキャラ募集】 ( No.13 )
日時: 2014/11/22 11:01
名前: はるたろう@罰ゲームで二回連続 (ID: v6.r5O3g)



トシゾウは目を疑った。
最近巷で噂になっていたあの死神が目の前で、しかもアホに礼をしているのだ。

「…ガキィ…なんちゅー状況なんだこれは。」

アンリが紅茶を全員に配った所でトシゾウは声を出した。それを聞いたコウは手短に説明を済ませ、すました顔で紅茶に砂糖を入れる。

片方の眉毛をピクピクと動かし、レオンの胸ぐらを掴み上げ自分の目の高さまで持ち上げた。ビビるレオンにトシゾウが低い声で脅しをかける。

「お前さ、こっちはよく食うタカで手一杯な訳よ。お前メンバーから外すぞ。コラ。」
「大丈夫です!指揮官、死神の名に懸けて猪肉を手土産にした。…です!」
「おい!アンリ!今日は猪鍋な!」

暫くして、グツグツと煮えるだしのでた鍋に美しく切られた猪肉を煮込ませて皆はアークに何故ここに入ったかを聞いた。
暗い二人の髪が鍋を煮込む火で照らされて赤くなっている事に、アンリは嬉しそうだ。

「はい、俺はレオンさん率いる斬り込み隊に…」

レオンは潜入係であるはずだとトシゾウはレオンを睨んだ。

潜入係はこの軍隊で一番低い地位にある係であり、斬り込み隊はタカトラが率いる一番危険な仕事であり元々地位の高いものがやる係。トシゾウは見栄をはったレオンを察した。

「レオンが斬り込み隊にいつなったんだ。」

迷彩柄のマントに身を包んだゴーグルの男が女を背負い現れた。長い髪は地につきそうだがボサボサとなっており地面には着かない。いかにも軍人といった服装であり、ヒョロヒョロとしたトシゾウとは対照的になんというかムキムキだ。

アンリは重たいマントを受け取り、その下から見えた黒いタンクトップに顔を赤くしその場から去った。

「げっ!タカトラさン…きょ、今日は早いですネ?」
「ああ。女が死にそうだったのでな。捨て置くわけにはいかん。」

小さく拍手するアンリをコウは見てしまった。

「レオン、斬り込みに入りたいのか。だがな潜入がいないと俺はどう入ってよいのか分からんのだぞ。潜入係は大事だと、俺は思うがな。」
「ヒューヒュー!カアッくいいね。斬り込み隊は。」
「うるせえこのヤリチンが。引っこ抜くぞ。」

この軍隊にまともな思考を持つ人が一人いて良かったと、コウはそう思った。