コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: ムニキス ( No.23 )
- 日時: 2015/01/24 21:29
- 名前: 捨駒 (ID: EP9rvI.Z)
イエスと言う子供と、ガブという男は近辺の国の者だったらしい。その王族の軍隊は世界最強とも吟われているだけあり資金援助も沢山ある。
——トシゾウが怒るのも…なんかな…
「タカトラさん、こちらを。」
頬杖をしていたタカトラにアンリは何かのチラシを手渡した。
赤い文字で書かれた町人市場(オークション)の文字。
これも違法な人身売買が行われていると噂されている。やはり困るため、タカトラ達はよく見張りにいっているであった
「ん…市場ねェ…可愛い女の子のいるお店がいいなァ…俺は。」
「顎を頭に乗せるんじゃねー。」
「ちっこいのはこん時ぐれえだろ、つーか、新しいゴーグル買ったら。」
「…うるせー。これは変えなくていいんだよ。」
急に顔色を変えてトシゾウの顎を頭から振り落とした。
椅子の背に顎を思いっきりぶつけたトシゾウは機嫌を悪くして、涙目でテントへ戻る。アンリはその後を追いかけるようにテントへ入っていった。
二人に背を向けてタカトラは歩き出すと、談笑していた四人の中からコウをかつぎ上げて言った。
「おい、レオン、それからアーク。行くぞ。」
「えー!私は!?」
「お前は家へ帰れ。親御さんもきっと心配してるはずだ。」
嫌がるリンをコウの壊滅した村へ送り、そのまま市場へと足を運んだ。
「…いっぱいあるもんダな。」
「ここが市場か。まだまだ知らないことが沢山ある。」
担がれたまま連れてこられたコウの目線は二メートルはとうに越える身長から見える物へと変わっているのであった。
気絶寸前なコウをレオンは引きずり落とした。
尻餅をついたコウと涼しい顔をしながら歩いていくタカトラの女の声が耳に入った。
「お兄さん一人ィ?」
やけに露出が多い美しい女にタカトラは目を見張った。
いや、美しいからだとかそういう意味ではない。ただ、女の格好がその場に場違いすぎるからであった。
水着とも思える服装に上着を羽織っただけ。
「女子、悪いが俺はそういうのが趣味ではなくてな。」
「あらァ?…国家軍隊のタカトラ様は好まないのかしらね?」
禍々しいオーラにアークは鎌を構え、レオンは短刀を両手に握り締めて女を睨み付ける。
「…その胸についてる値札、お前の値札か?」
「まあね、転々としてる内に慣れちゃったのよ。…アンタ、隣の軍の情報とか欲しい?私、そこでスパイやってたのよ。ね?」
「フン。口が軽いスパイは死ぬぞ。だが…」
懐にある拳銃を片手に持ち、刀を構える。
「教えて貰いたい。小さい頃からタダで貰えるものは貰っているのでな。」
「アンタの命と引き換えに…教えてあげるわよ。タカトラァァア!!」
続く。