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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: ムニキス ( No.30 )
- 日時: 2015/01/29 17:29
- 名前: はるたろう (ID: UPSLFaOv)
リュウケンの長いため息を合図に、聞き入っていた四人は顔を上げた。
「だからと言って、貴方の親が殺されたという理由にはなりませんよ。それを踏まえて、これからも見張るかをお考えなさい。」
モノクルの位置を直し、固まったままの表情を少しだけ崩し笑んだ。
座って煙管を吹かしつづけるタカトラに、本の角をゴーグルに軽くぶつけて静か叱った。
話していた間遠い目をしていた彼に対する気遣いなのか、それ以上のことは何も語らず、ただ、笑っていた。
「って、事があってよ。」
「そうか。リュウに会いに行ってたとはな。」
一週間に一回は、二人がこうして夜中に話をしている。
以前、イエスという子供と会ったのもこの様な夜中の出来事であった。
月を眺めていたトシゾウにタカトラは不思議そうに問いかけた。
「お前さ、いつから俺の血統のことに気付いてたんだ。」
「…物心ついた時からかな。コイツ絶対なんか殺人とか犯すと…思ってた訳よ。」
いかにも簡単そうに、いつもの鬱陶しい媚びる様な笑いで言った。
「やっぱり…俺、血生臭いか?」
悲しそうな目で今度は問う。
「アホか。そう思うんなら、風呂でも久々に入って来いよ。」
気にしてなさそうなこの表情。
「…腹立つ。」
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