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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: ムニキス ( No.32 )
- 日時: 2015/01/30 17:19
- 名前: 捨駒 (ID: f/YDIc1r)
テントはいつもの断崖絶壁。いつもと何も変わらない風景にも、少しだけ違うところがあって、掘立小屋に建物が変わっているのである。
いつもは、はだけたYシャツとジーンズだったトシゾウの格好も少しだけ変わり、その上から黒い革製のコートを羽織っている。
タカトラは相変わらずタンクトップに明細柄のマントであった。もう少し身嗜みを整えなさいと、あの口調でリュウケンに言われたらしいがこのままでいくらしい。
後は女…イオであったが、
「うぃー!さびぃゼェ…オ?なんだ、お前…そのままで行くんカヨ…見てるこっちが寒ィよ。」
「アンタには関係無いよ。レオンはずーっと、ちんちくりんの軍服のままじゃあ無いの?」
初めて会った時の服装の上にシャツを着ただけの格好であり、一応注意したレオンであったが、レオンのリミッターはすぐに外れるのである。
「テンめ!いいやがっテェ…ぶっ殺すぞコラァ!!」
「レオンさん、また騒いでますね。」
「そうだな。」
優雅と言ってはいけないが、静かに紅茶を飲む二人と黙ってタカトラに見惚れる一人。
「アンリさんって、お洒落ですよね!」
「ああ。可愛いよな。」
聞いていたのか聞いていなかったのか分からないまま、コウとアークは会話を続ける。そのあとに、紅茶を盛大に服の上にぶちまけてしまったアンリの反応で、二人は顔を見合わせて笑った。
トシゾウは留守であり、タカトラには話し相手がいないのか、大きな手には似合わない本を読んだまま固まって動いていない。
今日だけはムニキスの事は忘れられると思っていた。
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