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Re: ムニキス ( No.33 )
日時: 2015/02/04 19:19
名前: はるたろう (ID: ylrcZdVw)


「ッ!おい!タカトラ!」
「タカトラさーん!大変ですよー!」

鳥が狂ったように泣き叫び、無に還された土地から飛び立っていく。
その音と同時に入ってきたのが、トシゾウと少女・リンの声。

「…女子…よし、トシゾウから話せ。」
「ムニキスがまた起こった。今度は大剣を背負ったガキ。他の仲間は見てねえらしい。

「次、女子。」
「えっと、魔法が使えるようになってた!朝起きたら…えーと、エメラルドスプラァァアッッツシュゥウッ!」
「…花〇院かよ。」
「え?」

リンの声の後に外で金属音の様な、爆発音の様な音が聞こえた。

慌てて外に出て断崖絶壁を覗き込んでみると、一面が焼け野原に変わっていた。
ムニキスまでとはいかないが、植物以外が綺麗サッパリと無くなっていた。

あんぐりと口を開けたアークにリンは得意気に笑み、空へ高々とピースをした。

「分かった。その…荷物は、お前の村の近くでまた起こったのか?」

「いや。私は魔法が使えるようになったから。」
「壊滅したのは…隣国。つまり、イエスの所だ。」

「イエス…?」

「おっと、黙っててスマンな。」

「いや…」

頭を押さえ、俯いたアークは

「何か…覚えているような…いないような…微かに、感じるのは。」
「イエスですか?僕も…聞いたことがあります。」

コウとアークは首を傾げたまま、テントへと消えていった。

大国だった隣国を一発で潰すムニキス。着々と勢力を伸ばしていっている。
その恐ろしさに怯えながら、アンリは息をすった。