コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: ムニキス ( No.36 )
- 日時: 2015/02/07 19:15
- 名前: はるたろう (ID: LHB2R4qF)
アラタ達の進行は、早くも一ヶ月は行われていない。
イエスの強さ、キラルの死の呆気なさをアークとコウはまだ覚えていた。何かが引っ掛かる。何かが。
そんな彼等を放っておいても結構時間は進むものである。
世界は自分中心に回っていると思い込んでいる人間ばかりの世界だが、今回は違う人間にスポットライトを当ててみよう。
彼は顔が二つある。
眼鏡をかけた誠実そうな温厚な男と冷酷非道の殺人鬼。勿論、後者を見たものが消されると思われるかも知れないが…実はその逆だ。
常日頃から考え事に耽っている人間に、貴方は声をかけたいと思うだろうか。暗くて俯いていて何を考えているか分からない人間に。
言い方を変えると、友達になりたくないのではないか。
人を決めつける事は好きではないが、少なくともネクラな奴とは付き合いたくないであろう。
そういう人間が普段見せない顔を見せたときどうなるか。
よっぽど見せたくないとなると…漫画とかでは殺される。秘密を知ったら殺されるのと同じだ。
バレたくない秘密に触れてしまった女とバレてしまった男の話をこれからしていきたいと思う。
飽きてしまったら飛ばしてくれ。と、書いておこうか。
これより始まるのは、ある女が運悪く踏み入れてしまった奇妙なお話。
断崖絶壁から現れた変人の巣窟のような団体を、快く受け入れてくれる者はそう易々とは現れなかった。
それどころか、逆に何かしたように彼女等が通ったあとはいつもヒソヒソと影口が聞こえるのみ。
気味が悪い村を立ち去ろうと提案したが、男達は動こうとしなかった。
「い、いいもんね!私だけ出ていってやるわよ。」
女は荷物を1人分だけ持ち、夜の村へと扉を開けて出て行った。
月がまるで死人のように青白く光り、彼女の足元を照らす。雰囲気に飲み込まれそうな気がしては後ろを振り返る。
誰かつけて来てるんじゃあないのか…。
何度振り返っても誰もいない。
客観的に見て滑稽な自分に馬鹿馬鹿しくて笑ったフリをするが、気になる。気になりすぎて気がおかしくなりそうだ。
怯えや怒り、好奇心でもなければ興味という単純な考えだけ。
感情は全て操れるが、今回ばかりは興味という考えを押さえきることができなかった。