コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

2話 №2 ( No.33 )
日時: 2015/01/19 11:56
名前: 占部 流句 ◆PCElJfhlwQ (ID: zCJayB0i)
参照: (´▽`)

 翌日、私は起きるとすぐに体温計を出していた。なんだか頭がガンガンする。体温計を脇に入れ、1分。体温計が鳴るまで私はベッドからすぐに取れるスマホを手に、必死に本文を打つ。

《今日、すごい熱だから学校休むわ。連絡よろしくね。》

 相手は勿論みかちゃん。休む時は連絡をしてもらっている。

──ピピッ。

こんな時に体温計だ。スマホを置き、小さな画面を確認。おっと。体温は38度をゆうに超えているようだ。完全なる風邪だろう。自分のおかれている状況をしっかり理解し、またスマホの画面に目を戻す。送信ボタンをタップ。──あれ? 画面には〝エラー〟の文字。バグったかな、と思いもう一度送信。……やはり画面に表示されるのは〝エラー〟の3文字のみ。このままだと無断欠席。さすがに迷惑をかける。さっきよりいっそう頭が痛い。もう一回……。

〝エラー〟。


 ……あ。あそこにいるのは。櫻田、君? 長身の眼鏡、間違いない。ただ、意識がぼんやりしてよく見えない。

 うっ。また頭がっ。私はベッドの上だ。櫻田はいない。どうしてもいられずベッドから立ち上がる。

 ……立ち上がったのかな? いや、ここは野原か? 櫻田君。なぜあなたがここに。

 あれ。ここは私の部屋か。さっきのは? 櫻田君? イッ──。

 ……さくらだ、くん。助けてッ。


◇◆◇


 朝、目を覚ますとベッドの上だ。まあ、当たり前だ。昨日入れた紅茶の匂いが微かに漂う。12月2日は、土曜日。大学は行かなくてもいい。
 そうだ。櫻田君に電話でもしようかな。しかし時計を見ると朝の6時半。さすがにはやすぎるかな。メールにしておこうかな。スマホを取り、画面に目をやる。さくらだ、さ……さ……。

「あ。」

 嗚呼。私としたことが。昨日連絡先を聞くのを忘れていた。彼が今日大学に行くのかはわからないし、何も無い私が行ったらみかちゃんに櫻田君との事がバレるかもしれない。さて、どうしよ──。
 私の悩みを押し退けて耳に入ってきたのは、チャイムの音だった。