コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- 第2章【ネコと】 1話 №1 ( No.42 )
- 日時: 2015/01/11 19:35
- 名前: 占部 流句 ◆PCElJfhlwQ (ID: zCJayB0i)
─2章─
**〜 1話 〜**
目の前には力無く横たわっている花凛。ネコは前足でお腹をツンツンとつつく。それでも起きないようなのでちょっと爪を立ててシュッシュッ。……起きない。ネコはしょうがないと思い「みゃっ!」と一言。花凛の上にダイブした。
「おぐふっ。あと5分だけ」
これは呆れた、どうやら花凛はただ寝ていると思っているようだ。ネコはうつ伏せになった花凛の背中を器用に歩き、首元をシュッと引っかく。今回は手加減したので、血は出なかった。
「イッタ! ちょっとさぁ。……あ」
やっと思い出したらしい。花凛はぬくっと立ち上がり、周りを見渡す。周りは一面の草原、特に何も無い。
足元に転がるネコに気付くと「おまえだ」と言い、近寄って行った。しかしネコは花凛から離れ、いきなり強い光を放った。花凛が次に見たときには、ネコはそこにはいなくて、代わりに行方不明になっていたはずの櫻田秋也が立っていた。
◇◆◇
一体どうなっているのだ。私はさっきまで秋也君のアパートにいて、ネコに引っかかれて──。その後の記憶が出てこない。しかも前にいるのはネコ……じゃなくて秋也君。ネコはどこ? まずここはどこ? 私が混乱していると、彼はやっと口を開いた。
「……だから来るなって言いましたよね」
「う、うん。ってか秋也君? ここはどこ、ネコはどこいったの、あとあなたどこいってたの?」
彼は私の質問攻めに少し困った表情をして、ふぅと息を整えてから、また口を開いた。
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【筆者のひと言】
えーっと。ついに短い1章が終わり、2章突入となりました。はじめに出てきたのですが、これからは第三者視点がちょくちょく出てきて、今までわからなかった秋也君の心情がわかるようになりました。これから少しだけシリアスめが入りますが、まあ、あまり気にしないで下さいね♪
*Ruku*