コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

2章 1話 №6 ( No.51 )
日時: 2015/01/21 20:41
名前: 占部 流句 ◆PCElJfhlwQ (ID: zCJayB0i)


 彼が見つめる先には1人の女性。オレンジ色と白色の中間のような色の髪が地面に着くくらいに長くてよく目立つ。服装は真っ白のローブ。人間なのか……?
 女性は何か言いながらこちらへ向かってくる。その目は睨んでいるようにも見えて怖い。秋也君は氷のように固まっている。
 こちらに来た女性は秋也君に向かって何か言うが、言葉がよくわからない。

「秋也君、この人……」

「──あれ? この子あっちの世界から連れてきたん? お前、アカンなぁ」
「ご、ごめん」
「とりあえずこの子がいてはるからこの言葉で喋るな」
「えーっと。あなたは──」
「ウチはアリシア。ちっさい頃にあっちの世界に行ったからこの言葉喋られるんやで」

 うーん。でも関西弁が混ざっている気がする。

「花凛さん。この人はアリシア・プライム。一応天使の末裔なんだけど……」
「あ? 一応ってなんや、いちおうって! ちゃんとしとるがな」
「あはは。えっと。ここでこの言葉は兵士に怪しまれるから、アリシアの家まで行かせて……」
「しゃぁないのぉ。ついてきな!」

 見た目とはだいぶ違う性格の彼女は、くるっと後ろを向き、スタスタとお上品に歩いて行った。

 道中アリシアは色々な事を質問してくる。

「お前らはなんでこっち来たん? まさか、シュウの彼女ちゃうよな?」
「ち、違うよ! ってかシュウって花凛さん知らないか」

 彼によると、シュウという名が本当の名前で、秋也というのはあっちで使うための偽りの名だという。

「嘘つかれていたのか、私」
「こうなったのも花凛さんのせいだけどね。こうなる筈じゃなかったんだよ」
「うう……」

 核心を突かれて言葉を無くす私。アリシアは「オモロイわぁ」とお上品に笑う。言葉と行動がイマイチ合わない。