コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

2章 2話 №4 ( No.58 )
日時: 2015/02/01 21:00
名前: 占部 流句 ◆PCElJfhlwQ (ID: zCJayB0i)
参照: 短めです♪


「大変だ! 陛下が倒れられた! 手が空いている者ははやく」

 一瞬にして大広間が凍り付く。そして一斉にダダダッという足音がそこらじゅうに広がる。

「私も行きます。お待ちください!」

 神官エンゼも短く呪文を唱え、どこかに消える。カリンはさっきより混雑している大広間で人をかき分けながらアリシアとシュウの元へと向かう。

「シ、シュウ君!」

 遠くにはカリンの方を見てを見て手を振るシュウ。カリンも必死に答える。
 カリンはなんとかシュウの元へ辿り着いたが、そこにはアリシアがいなかった。

「アリシアが……王のところに」


◇◆◇


 走っても、ワープをしても、人はまだ多い。なんとか王の元へと行こうとしたアリシアだが、情報が曖昧過ぎて、なかなかたどり着かない。
 遠くに見慣れた銀の鎧。兵士リリースだ。

「リリース! セト様はどこや?」

 アリシアが必死に呼ぶと、リリースはすぐに振り向く。

「あ、アリシアさん。場所を教えるのでワープを!」

 王は今、治療のためドラゴンに乗ってナルハピピ帝国に移動中だという。アリシアでもさすがに隣国まではワープできないので、同じくドラゴンに乗ろうと来た道を戻り始めた。

 アリシアが戻ると、大広間はガランとしていた。階段の上には訳も分からず立っているカリンとシュウ。アリシアはリリースに言われた事をそのまま話し、カリンとシュウは帰るよう促した。

「だめだよ。一緒に行こう」
「危険過ぎるわ。あ、でもうちドラゴンわからん」
「ね。カリンと僕も行くから。ドラゴンを捕まえよう。すぐ行けば大丈夫」

 ほら、早く。と手招きするシュウ。それに続いて「アリシア」と呼び掛けるカリン。アリシアは目にあついものを感じながらも、駆けて行った。