コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

2章 2話 №5 ( No.59 )
日時: 2015/02/02 19:52
名前: 占部 流句 ◆PCElJfhlwQ (ID: zCJayB0i)


 野生のドラゴンというと、どこにでもいる訳ではない。さらに3人を軽く乗せられるレベルだともっと困難だ。ドラゴンだって全てが大きい訳ではない。

「ガクタラ森林公園に行こう。あそこならいるかも知れない」

 シュウが言うや否や、アリシアはワープを唱える。ガクタラの森林公園は、ガクタラ1番街の外れにある大きな森だ。多くの動物で溢れ、野生のドラゴンも多くいる世界でも少ない所だ。
 ワープを終えると、さすがにカリンだけは調子が悪そうだった。おでこに手を当てて「熱、あるかな」と言っている。一方シュウはネコに。

「ちょっと待って」

 シュウがそう言うと、大きな目をゆっくりと閉じ、精神を集中させる。すると、微かに風が吹く。アリシアの長い髪が少しずつ、大きく揺れる。カリンも目を閉じ何かを感じている。

「ああっ! 私、わかっちゃったかも!!」


◇◆◇


 まさか自分に魔力があるとは思っていなかった。でも、考えてみればイライラした時に携帯が飛んできたりしたことがある。普通じゃないのかな?

「僕の……みよう見真似で?」
「うん」

 なんか私にもできることがないかと思っただけだ。でも感じてしまった。微かだが、大きな翼が動く感じ。

「シュウよりセンスあるかも知れへんよ。だってシュウより見つけるの早かったやん!」
「う、うう──」

 そういえば、こんな事をしている暇はない。しかも、私自身は魔法とかより剣術の方が興味がある。ガクタラの街でチラッと見た〝強者求む! 負けたら死〟というチラシに行きたいと思ったからだ。

「場所がわかった。大きなドラゴンだよ」

 シュウがそう言い、回れ右をして走り出す。行動がはやいこと。ちなみにネコだから、足もはやい。時々付いて行けなさそういなる。
 少し進むとノソッノソッという足音が聞こえてきた。ドラゴンが近くにいるのだろうか。段々と音は大きくなっていく。もうさっきまで少し聞こえるかという音が、もうかなり大きくなっている。ネコのシュウ君が小さく口を開く。

「カリンさん。ギャイに乗った時と同じように。待っていてくださいね」

 そしてアリシアに「何かあったら2人で逃げて」と一言伝え、少し奥へと消えて行った。