コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- 2章 2話 №6 と お知らせ ( No.60 )
- 日時: 2015/02/04 22:17
- 名前: 占部 流句 ◆PCElJfhlwQ (ID: zCJayB0i)
彼が消えて数秒経つと、ドンッという大きな足音と素早く草を走る音の2つが聞こえてくる。きっとドラゴンとシュウ君だ。
「……ヤバイな。行くで」
アリシアが急に眉をひそめる。怒った担任の先生みたいだ。
アリシアがパンパンと手を叩くと、目の前に木でできたステッキが現れ、アリシアの前に落ちる。
「うちはこれで戦う。後方支援や。カリンは前方、剣術や」
「え。でも剣なんて……」
私が困った顔を見せると、カリンはなにやらブツブツと言い出した。
「──武器は汝の心の中にあり、汝が願えば強き武器となるだろう──。古い言葉や。さっきのもうちの心の武器や」
アリシアは「あんたなら大丈夫や。やってみ」と私を促し、「うちは先行って足止めしとる」とシュウ君と同じ道を行く。
ついに1人になった私は、まだ迷っていた。武器、心、そんなものが使いこなせるのか。私には無理なのかもわからない。できるのか……私。しかし、遠くで聞こえる音は段々と激しさを増す。一刻を争う事態だ。
精神を集中。そう、さっきアリシアがやったように──。ふぅと息を吐き、地面に目を向ける。
すると、地面が光りだした。まだだ、もっと集中が必要だ……。
『ねっむ。まだ起こすなよ』
気のせいだろうか。何か聞こえた気がした。地面はまだ光ったままだ。
『しゃーねーな。ちょっと待てよ』
また! 空耳ではないと思う。絶対なんかモヤモヤ聞こえた。
地面の光りは段々と薄れ、物体が見え始める。しかし、何かの音は聞こえなくなってしまった。
「あ、剣……だ。」
目の前の地面にまるで勇者の剣のようにささっているのは鉄がサビて褐色になったボロボロの剣。とても戦えるようには見えない。と、いうか抜けるかな。
私は剣に手を掛る。サビがチクチクする。グリップのところを握り、ゆっくり力を加える。
「う、うー」
まだまだ剣は、抜けません。
「よっこいしょいっ」
まだまだ剣は、抜けません。
「お、おりゃーっ!」
まだまだ剣は、ぬ──。あっ。剣は何も音を立てずに少しずつ緩くなっている。そして、完全に地面から離れた。意外としょぼいかも。
さて、行くか。
*────────────────*
【お知らせ】
いつも本作をご覧いただきありがとうございます。
少しお知らせです。
まず、更新を一時遅くしたいとおもいます。リアルの方でも2月末にかけて忙しくなるためです。タイミングは、2話終了地点(№9前後更新予定)です。よろしくお願いします。
二つ目は、更新の文字数です。今は800程度文字としていましたが約2倍の1600文字程度、又は1400字程度にしようと思っています。とりあえずこれも3話からの予定です。はじめは更新スピードが遅いと思いますが、ご了承下さい。
よろしくお願いします♪