コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: Sweet×Sweet ( No.16 )
- 日時: 2015/04/16 17:38
- 名前: 左右りと (ID: BKd.hc6i)
- 参照: http://www.kakiko.info/upload_bbs/index.php?mode
【チューリップ 1/7】いつでも待ちます。
雨が降っている。このところ、ずっとこの天気だ。もう、4月。なのに、わたしの心にも、彼らの世界にも春はまだ来ない。
*
雨が降っている。
わたしは、雲のように……涙を振りまく。数多の人々に、無数の植物に、乱立するビルに。たくさんの色を、少し暗い色に染めていく。そして——わたしの心も。
100円ショップの傘をさして、とぼとぼ。世界のアンニュイな雰囲気が傘に、肩に、全身に圧し掛かって、歩みも遅くなる。悲しむ彼らに、私は————涙を振りまいた。
もう、何年もずっと。一人ぼっちのような気がして、そんな自分を悲観した。でも、それを言葉にして誰かに伝えることが、恥ずかしくて、嫌で。辛い、ツラい、ツライ、辛。繰り返しては、ただ一人涙を流した。
*
たくさんの人がすぐそばにいるのに。自分を含めて43人も、この部屋にいるのに。部屋が狭く感じるほどに、人がいるのに。なぜか心が苦しいんだ。
たくさんの音がすぐそばにあるのに。シャープペンシルを動かす音が、紙がこすれる音が、黒板にあたるチョークの音が、42人分の息遣いがあるのに。なぜか遠く感じるんだ。
手を伸ばすだけ、無駄。そう思っていた。否。そう思っている。故に、遠く感じる。いつまでも受け身で、だれかが近寄ってくるのを待った。待って、待って、待って。待ち続けた。
だけど。
それも今日でおしまい。もうやめよう。待つのは——————嫌いだ。
*
雨が降っている。
アスファルトは、降り注ぐ雨に、濡れて少し暗い色に染まる。人も、植物も、全部。少しだけ色が濃くなって、ちょっぴりアンニュイな雰囲気。雨の日はいつも、少しだけ悲しくなる。
それは多分…………みんなが悲しくなるから。雰囲気に流され、悲しむ彼らの上に、今日も雨が静かに降り注ぐ。
*
雨が降っている。
お気に入りの傘をさして、鼻歌交じりに歩く。傘が水を弾いて、水が弾けて、心もハジケル。
悲しみが降り、悲しみに流され、悲しむ——彼らに、わたしは——————。
*
雨が降っていた。
————————————————————————————————————————————End.
調子に乗りました、すみません。
なんか雨ばっかりで気分もだだ下がりなので、雨にちなんだ話しを——と思ったのですが。
……うん、何が言いたいんだお前ッ!!!!!!!!! +題名と内容が全然あってね——し!!!!!!!!!!
みたいな。はい、文句は受け付けま……………………せn((殴
*
さて、ちょっとだけ解説をします。(醜い言い訳ではありません。決して!)
この話は、雨と主人公の心が共通しています。自分に自信が無くて、お気に入りの傘はあるけれど、使えなくて100円ショップの傘を使う。そんなおとなしくて、ネガティブなアメ。そんなアメに、雨は今日も降っては、世界を心を少し暗くします。
こんな少し暗い世界に、アメの世界はありません。あるのはちょっぴり暗い心と、雨ばかり降る空だけ。学校では、いつも一人。話すことも得意ではないから、話しかけてくるのを待っている。待ち続けたアメはとうとうしびれを切らし、外に出ます。そこには、変わらず雨が降り続いている——しかし、そこでアメはお気に入りの傘を出します
お気に入りの傘はまだ新しくて、水を弾く。悲しみを弾いたアメは、歩き出します。悲しみに浸る彼らの雰囲気に流されずに。
そして————雨が降っていた。雨は、悲しみは、止み。アメの世界は始まったのです。
主人公は一応“アメ”って名前で、女の子です。ちなみに『自分を含めて43人も、この部屋にいるのに』というのは、教室の事です。わたしのクラスが(主は中学生です)43人……だった(はず)ので、ちょっぴり拝借しました。そして、雨と悲しみは同義です。
最近は雨ばかりで、春らしくないので……。早く雨が止むことを祈って——。
*
と、ワードでコメントまで書いたのですが…………
晴れましたっっっ!!!!
良かったです(*^_^*)