コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: Sweet×Sweet ( No.19 )
日時: 2015/05/04 17:37
名前: 左右りと (ID: e22GBZXR)
参照: http://www.kakiko.info/upload_bbs/index.php?mode

*

 学校へもどると、先生はご苦労様、と言った。

「ご苦労様、ってすっごい上から目線ですよね。何様ですか。あ……先生様でしたね。ふざけんな」

 さっきよりも言葉の量は劣るものの、言葉が荒くなった紗瑛は先生の対応に相当イラついているようだ。デートの効果はなかった、否逆効果だったようだ。

「まぁまぁそう怒んなよ。可愛い顔が台無しだぜ?」

 我ながら歯の浮くようなセリフだ。紗瑛は、ポカンと俺を見て

「そういうなら、ちゃんと学校来てください」

 
と顔を紅くした。


*


「お待たせしました。先生は相変わらずつまらない話を武勇伝として話すのが好きみたいで」

 下駄箱に寄りかかっていると、後ろからそんな声が聞こえた。

「アイツは武勇伝だと思ってるんだから、つまんないなんて言ったら可哀そうだよ」

 少し口の悪い紗瑛がなんだかおもしろくて、笑ってしまう。紗瑛もそれをみて小さく笑う。
 紗瑛が靴を履いたのを確認し、歩き出す。





一人の半分だけ空いた2人の間に春はまだ来ない。
しかし春の足音は、すぐ——そこまで。



————————————————————————————————————————————————End.

【ヒヤシンス ちょっとひかえめ】

いかがでしたでしょうか? わたしなりに付かず離れずな関係を書いてみました。
さて恒例にしようかと思い始めている、解説を。

*

 2人は、付き合っていません。最初はそういう設定も面白いかな、と思ったのですが、なんにせよ長くなってしまいそうだったので。
 そして、この話の副題でもある『ちょっとひかえめ』。ヒヤシンスの花言葉なのですが、これは頼人と紗瑛とどちらにも当てはまっています。紗瑛は頼人に、悲しい・苦しい・辛い・などと言った気持ちを打ち明けずにいます。また頼人も頼人で、紗瑛に迷惑をかけるとわかっているのですが、それでも紗瑛に構ってほしいから、サボタージュをしています。だからといって想いを告げるわけでもなく。
 故に、2人はどっちつかずな状態で歩き続けます。ヒヤシンスの開花時期は2〜3月なので、ちょうど春ごろだな、と思い設定を春とも冬ともいえる微妙な時期にしました。またこの時期設定も二人の関係に似ているなと思っていたりしています。
 さて、もうすぐ春がやってきますね。

*

といった感じです。
わたしは紗瑛ちゃんがとってもすきなので、もしかしたら続きを書くかもしれません。その時はこの話ともどもよろしくお願いします。