コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Sweet×Sweet ( No.45 )
日時: 2015/09/11 19:02
名前: 左右りと (ID: XaDmnmb4)



*


「好き」

 何回も、舌先まで出かかっては、引っ込めていたその言葉。だけど、今はするっと出てきてくれた。自分でも不思議なくらい、自然に。
 凛はさっきからなにも言わず、黙っているけど、どう……なのかな。わたしは恋愛対象外? それとも、少しは……?
 ちらり、と凜を見上げると——

「……っな、なに真っ赤になってんの、凜」

 ゆでだこも真っ青なくらい、凜は真っ赤になっていた。目は驚きに見開かれて、口はぱくぱくと何か言いたげ。
わたしはと言えば、人生で初めての告白をしたのに、そんなに、驚くの? なんていたって冷静。何でだろう、全然ドキドキとか、してないかも。フラれちゃうかもなのに。

「う……いや、その…………」

 凛は、わたしから視線を外すと、何か手持ち無沙汰なのか、スマホを見る。人が告白したのに、スマホなんか見て。失礼な。

「え!?」

「……な、何? どうしたの、凜」

 突然凜が、叫び声をあげると、今まで歩いてきた道を勢いよく振り返った。そして、わたしを見て、もう一度スマホを見て、わたしを見る。なんなの?

「……ん」

 凛が腕を伸ばす。わたしの目の前に、見たことある花。さっきもらった、雛菊。

「え、なに? 凛、これが……どうしたの?」

 さっぱり、意味が理解できなくて、きょとんとしてしまう。さっきまでの、緊張とか、不安とか、どこへ行ったのか。なかったことになっているような、気もする。

「だーかーらー……コレ、俺の気持ち!」

「うん? お花、くれるってことは、OKってことなの?」

「そうじゃなくて!! いや、そうなんだけど……そうじゃなくって!」

「全然わかんないよ、何? ちゃんと、言って。わたしも、言った……でしょ?」


 ちょっぴり、さっきの恥ずかしさが戻って来て、顔が火照る。凛は、まだ赤い耳をぽりぽりかいて、明後日の方をみてしまっている。
 そのまま少し経つと、何か思い切ったように、わたしを見た。そして、また腕を伸ばす。

 目の前には、スマホの画面。さっきから、これを見ていたの?

「何々? 雛菊の……花言葉?」



【花言葉:あなたと同じ気持ちです】


*


 やっと、言えた。

 やっと、聞けた。



 やっと、届いた——。


————————————————————————————————————————————End.

【雛菊 あなたと同じ気持ちです】

こんにちは、お久しぶりです。
覚えていらっしゃいますでしょうか、りとです。

このお話は、ニオイヒバの続きのお話です。
お気付きの方がいらっしゃったら、すごいのですが……これは、わたしの大好きな作品である
【喫茶店EGG】
で、夕陽に書いてもらった短編をもとに、その後を書いています。
よかったら、そちらも読んでいただけると、わかりやすいかと思います(*^_^*)
とっても、心温まるお話ばかりですので……

*

そして、やっとくっつけることができました、この二人!!
いやぁ……書いていてもどかしかったです(・_・)
どうして、そうなんだ、もっとこう…………ねぇ!!
って(笑)
どの話も、結末に釈然としないようなものばかりで、すみません<(_ _)>
キャラもみんな似ている、と指摘されましたが、それも直していきますので!!

どうか、これからもよろしくお願いいたしますっ(*^_^*)