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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: どうやら私は魔王さんの家の住民になってしまったようで ( No.2 )
- 日時: 2014/10/17 21:41
- 名前: ミカズキ (ID: Z.6cz.ec)
「ーー……っ!」
手首に走る鋭利な痛み。
いつもなら、いつもならここで怖じ気づき、刃物を持った手を離している所だ。
だけど、今日はーー。
私はぐっと刃物を持った手に力を込める。
相変わらずの鋭利な痛みと共に、ドクドクと私の中の物が流れだしていく感覚がする。
それは、私を紅く染めた。
フ……っと体の力が抜けていく。
……これが、死ぬということか。
意外と、苦しくないんだな……
目の前で生まれた時から今までの思い出が、かなりの速さで流れて行く。
これは、走馬灯というやつだろうか。
私の人生……これで幕を閉じるんだ。
あいつとも……一緒の所に行ける筈……
薄れる意識の中、私は自分の口角がキュッと上がったのを感じとった。
ーーじゃあ、ばいばい。
この世。
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