コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: ハツコイ【感謝イラスト掲載((】 ( No.653 )
- 日時: 2016/03/09 18:58
- 名前: てるてる522 ◆9dE6w2yW3o (ID: lKhy8GBa)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode
〜第15話 花の歌 夏海サイド〜
今私は──先生と昔発表会やコンクールで弾いた曲を見返して居ます。
「──……今此れ弾いたら凄く簡単に感じるんじゃ無い?」
先生の言葉に私は頷く。
「此れまた弾きたいです!!」
「良いかもね。ただし前よりは確実にレベル上げて……目標高く持って行くよ!?」
先生の気合いに少々圧倒されつつも私は楽しみになった。
曲名は〝花の歌〟
何だか広い題名かもしれないけれど、列記としたピアノ曲なのだ。
発表会で弾いたらこう──パァッと映えるような。
作曲者は〝G.Lange〟と書いて有る。
この曲は幾つかに分けて練習する方法でやったのを覚えて居る。
弾き方が全部で4つ有った。
曲の柔らかくて、〝花〟っぽい曲にするには、ナチュラルに弾けるようにと言われてばかり居た。
あの頃に比べれば腕力や握力も付いた筈。
私は正直此の曲は簡単かなと思って居た……。
ただその気持ちを見透かすように──、
「私の高い目標を……ハイレベルを甘く見ない方が良いって事だけ伝えて置くね」
と笑顔で言われた。
私は腕に鳥肌が立って行くのを感じた。
【続く】
新章startです!!
少しだけ、私の最近の事を←
小1から習い始めているピアノなのですが、去年は出無かった発表会に今年(夏)は出ようと思って居ます。
弾く事になった曲が、〝花の歌〟です(笑)
とても素敵な曲なのですが、私はまだヒ—ヒ—言いながら弾いて居ます。
余裕の糞も無いです(((((
此の小説と共に頑張ろうと思います(`・ω・´)
楽しんで頂ければ……と思います!!!
byてるてる522
- Re: ハツコイ【コメント募集中です(*^^)v】 ( No.654 )
- 日時: 2016/03/11 17:45
- 名前: てるてる522 ◆9dE6w2yW3o (ID: lKhy8GBa)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode
〜夏海サイド〜
「〜♪」
私は〝花の歌〟のメロディを鼻歌で歌って居た。
鼻歌を歌う時は御機嫌な時、というイメージが有るが気分で歌いたくなる時もあるのだ──。
先生の圧力がまだ残って居る感じがする……。
最寄駅の電車の名前が、アナウンスされる──すると自然に鼻歌を止めて降りる準備をする。
──とはいえ特に何も出して居ないので此れと言った準備は無い。
ドアが開く──少々古そうな音が鳴って──、私はホームに降りた。
フゥ……と軽く溜め息を吐いてから歩きだした。
何時もより人が多く感じる。
会社帰りで此れから飲みに行く感じの人や、時間に追われて居るのか走って私の前を去って行く人……。
私はこういう沢山の人の中に居る、本当に1人の存在なんだなぁって感じる。
「ピアノ弾こう」
こういう──切ない気持ちになったら、私はそうすると決めて居る。
花の歌弾いたら、きっと……。
モヤモヤも晴れる筈──。
【続く】
byてるてる522
- Re: ハツコイ【コメント募集中です(*^^)v】 ( No.655 )
- 日時: 2016/03/12 10:40
- 名前: てるてる522 ◆9dE6w2yW3o (ID: lKhy8GBa)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi
〜夏海サイド〜
家に着いた──。
靴は全て自分用の物で、御母さんや御父さんのは下駄箱の中に入って居る。
もう見慣れた光景だけれど意識すると胸がキュッと締め付けられる気がする。
「ただいま──」
誰も居ない部屋にそう言った。
返事なんて返って来る筈無いし返って来たら別問題だ。
暗かった部屋に電気を付けるとあっという間に部屋が映し出されて、安心感に包まれる。
上着を掛けて、私は早速花の歌の楽譜を持ってピアノの前に座った。
久し振りに見る楽譜はあの頃の自分を思い出させてくれる。
あの頃に使って居た楽譜ってまだ有るかな──?
……ふとそう感じて私は、楽譜が残っている可能性のある部屋に入った。
もうすっかり山積み状態で、諦めそうになったけれど私は探した。
そして少しだけ楽譜の表紙が色褪せた雰囲気の物の中に花の歌は眠って居た。
昔先生に注意された事、それをもう一度──と繰り返さないように私は見直した。
沢山書き込まれた注意点。
新しく貰った楽譜でも良いけれど……。
私はこっちの古い楽譜で練習する事を決めた。
【続く】
byてるてる522
- Re: ハツコイ【コメント募集中です(*^^)v】 ( No.656 )
- 日時: 2016/03/14 17:09
- 名前: てるてる522 ◆9dE6w2yW3o (ID: lKhy8GBa)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi
〜夏海サイド〜
メロディは優しいのに、指もしっかり弾かなきゃいけないし……。
際立たせるためのペダルも綺麗に入って、踏み変えれる事が大切だと先生は言って居た。
癖である肩を上げて力を込めて弾く癖も今はだいぶマシになっただろうか。
肩を上げて弾くと途中から腕が死ぬほど痛くなるのだ。
楽譜には〝肩上げない〟と書き込まれて居て私は少しだけ笑った。
それにしても──……
「注意する事、多過ぎるなぁ」
私は耐えられずにそう呟いた後、気持ちを切り替えてピアノの前に座った。
最初のページに戻して楽譜を置いてから、少し目を瞑る。
イメージを膨らませて行き、少しでも──弾きやすい環境を自分の中で生み出すのだ。
息を吸って、一緒に上がる肩をストン──と下ろして私は音を奏で始めた。
そう……このメロディだ。
久々に聴く音。
魅力的なメロディで一度聴くだけで私は虜になった。
もっと強く──早く……正確に。
私は此れを何時も心で思い続けながら弾き続けて居る。
最後の和音を弾いてから静かにペダルを上げた。
まだ部屋にじんわりと残る音を私は最後まで聴いて居たいという気持ちに襲われた。
【続く】
byてるてる522