コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: ハツコイ【コメント募集中です(*^^)v】 ( No.708 )
- 日時: 2016/08/28 17:13
- 名前: てるてる522 ◆9dE6w2yW3o (ID: VNP3BWQA)
- 参照: http://From iPad@
〜夏海サイド〜
「お待たせ!」
駅前のちょっと大きい噴水の前で、雄太は待っていてくれた。
……ここだとちょっと、雄太の家からは遠い距離で私の家からはなかなか近いところだ。
私が頼んでいるわけでは無いけれど、いつも雄太は此処を待ち合わせ場所に指定してくれている──自分で言うのも恥ずかしいが、気をつかってくれていて、優しいなぁ……と素直に感じている。
「じゃあ、行こう」
うん、と頷いて噴水の場所から少し歩いた場所にある映画館へ入った。
丁度この時間なら沢山の映画がやっている。
「あ、これ……」
テレビでやっていたCMを見て面白そうだな、と思った映画でつい最近公開されたばかりだ。
「これ俺も気になってた映画だ……!!」
そう雄太は言って、映画の時間を確認していた。
「ちょっと時間空いちゃうねー」
今の時間から、1時間後に始まる。
「じゃあ、近くで時間潰して見よう」
──そんな風に言ってくれると思っていなくて、思わず雄太の顔をまじまじと見つめた。
「その顔は、そんな風に言ってくれると思ってなかった──って顔だな」
呆れた様子でそう言う雄太にクスクスと笑った。
「ありがとう」
手を背中で組んで、私はそう言った。
「チケットだけ先買お。買ってくるからちょっと待っててー」
「あ、私もお金出す!」
「いいから、待ってて」
でも……と言いかけたけれど、雄太は、平気と一点張りで譲ってくれそうに無かった。凄い頑固だ。
*
「はい、これ」
「ありがとう!!」
無くさないように、しまう場所覚えておかないと……真面目にそう言う私を雄太もクスクスと笑った。
時間が来るまでの間、取り敢えず近くのカフェに入った。
【続く】
byてるてる522
- Re: ハツコイ【コメント募集中です(*^^)v】 ( No.709 )
- 日時: 2016/08/31 17:38
- 名前: てるてる522 ◆9dE6w2yW3o (ID: VNP3BWQA)
- 参照: http://From iPad@
〜夏海サイド〜
「結構人多いね……」
この時間は、私達くらいの年齢の人が多く──カップルも私達以外にいる。
「あ、そこ席空いてる」
お店の奥の端っこの丁度2人席が空いていて、雄太が周りを確認しながら席まで早歩きで向かっていった。
「いっかー、お財布だけで」
ポン、と私も雄太も貴重品だけ手に持って飲み物を買いに行った。
「どれにしよう……」
いつもどれにするか、迷う。──それが楽しみでもあるが。
雄太はもう決めたのかなぁと、チラッと横を確認すると同じように悩んでいて、自然に笑いがこみ上げてきた。
私が笑っていると、雄太は「?」を浮かべてこちらを見てくる。
べつになんでもないよー、と少しいたずらっぽい言い方で私はそう言った。
「ご注文お決まりですか?」
そうこう2人でやり取りしている間に、店員の方に聞かれたのでお互いに「どうしよっか」という顔で、見合わせた。
「今の期間限定の商品が凄く、オススメですよ!──これは期間限定なのですが……」
私達の表情から様子を感じ取って、オススメを教えてくれる……凄く気配りの出来る人だなと素直に思った。
「これにしてみよっかな、飲んだことないから……。雄太は?」
俺もー、と雄太は言った。
「ありがとうございます、それではちょうど610円ずつ頂きますね……。横のカウンターで商品をお受け取り下さい」
最後まで笑顔で、その人は笑ってくれていた。
「あれ、俺らの注文したやつじゃね?」
横にズレると、飲み物が次々と慣れた手つきで作られていく。
さっき勧められて注文したものとソックリだ。
「ほんとだ、あの人の言ってた通り美味しそう……」
私が言った言葉が、飲み物を作っている店員さんに聞こえたのか微笑まれて、「この商品に少しクリームとイチゴソースをトッピングすると美味しいですよ」と言われた。
そういえば、メニューの端っこの方に「トッピング無料」と書いてあったきがする。
「じゃ、じゃあお願いします!」
「分かりました、そちらの方もどうされますか?」
雄太の方を見てそう聞いてくる。
「お願いしますー」
雄太は笑って「美味しいと聞いたら、やるしか無いだろ」と言っていた。
飲み物を受け取り、ストローで口に入れる。
「うまっ」
目を見開いて、雄太は嬉しそうに言い私の方を見た。
「ほんとだぁ! 美味しい、勧められたの頼んで良かったー」
幸せな気持ちがいっぱいになる。
甘さに、それを抑える見た目とは裏腹にちょっと甘さ控えめのクリーム……。
さらに甘酸っぱい爽やかな味を追加するイチゴソース──。
全てが全て合わさって出来た味に私は感動した。
【続く】
前、今2人がいったようなカフェに行ったらお店の人に「クリーム増量しておきますね」と言われて、凄く嬉しかった事を書いてて思い出しました。w
byてるてる522