コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: ハツコイ【コメント、アドバイス募集!】 ( No.715 )
日時: 2016/10/15 15:20
名前: てるてる522 ◆9dE6w2yW3o (ID: VNP3BWQA)
参照: http://From iPad@

〜夏海サイド〜

*

「感動したなぁ……」
映画が終わり劇場を出たところです。
最近ものすごく話題になっている映画だけあって、面白くて感動しました。

「最近の中でダントツで1番泣いたな、今日は」
雄太も泣いた跡が目の周りにほんのりと残っていて、なんというか──微笑ましいというか……。

「なんでジロジロ見てくるんだよ」と少し怒り気味に雄太が聞いてくるもんで、思わず「珍しいなぁって思ってついつい見てしまった」と真顔で私が答えると何やら雄太が私の顔を覗き込んできた。

「夏海だって、目赤いじゃん」
と笑ってきた。
……覗き込まれている間の私の心臓のドキドキを返して欲しい。

ちょっとだけ期待している自分に気付いて猛烈な恥ずかしさを感じる。


それでも笑い合いながら、歩き始めて「この後どうしようか……」というところに辿りついた。

私は今日は何もない。

「雄太は何か用事とかあるの?」
そう聞くと首を横に振る雄太……お互いに考えながらゆっくり歩く──先に、ゲームセンターがあった。

「プリクラ撮ってみる?」
「なにかゲーセンで……」
悪戯っぽく、聞く私となにかしようと誘う雄太の声が重なる。

「いいね、まだ撮ったことないし!」
「え!? ホントに!?」
冗談で言ったつもりだった。
「嫌なら他のとこに……」と言い掛けた雄太に私は首を振った。



*

ナチュラルに撮るのは難しい。
出てきた写真を見てお互いの顔がおかしくて笑ってしまう──。


普通に笑うのも顔が引き攣っているし、これ……雄太の手が変になってる。


でもこういうのも、私達らしいというかなんというか。
一つの思い出として大切にしたいことだな、と感じた──。

【続く】

byてるてる522

Re: ハツコイ【コメント、アドバイス募集!】 ( No.716 )
日時: 2016/10/17 21:38
名前: てるてる522 ◆9dE6w2yW3o (ID: VNP3BWQA)
参照: http://From iPad@

〜夏海サイド〜

「今日はありがとな!」
「こちらこそ……帰りまで反対方向なのに送って貰っちゃって──ありがとうございました」
そう言ってぺこりと頭を下げると、雄太はおかしそうに笑った。

「おやすみ」
「おやすみー。また明日」
そう言って、別れた。
もうすっかり遅くなってしまった。辺り真っ暗で人通りも全くない。

どこか離れた家から犬の吠える声が聞こえるだけだ──。

ゆっくりした足取りが少しずつ早まっていく。


*

「ただいま……」
しんとした家の中に私はそう言って入った。

電気をパッと付けて荷物を置く。
手を洗ってからお風呂の準備をして、明日の学校の支度をパパッと済ませる──。

終わったのを狙ってかと思うほど良いタイミングで携帯が鳴った。

何だろうか、と携帯を見ると……
『家着いた? 俺はあとちょっとで突く』
という雄太からのメッセージだった。

……てか「突く」って──変換ミスかな。
ちょっとこんな些細なことでも可愛いなぁ、と感じてしまう自分に苦笑する。

『大丈夫! ありがとうw 心配し過ぎだよ〜w』
と送った。

変換ミスの指摘はしなかった。

『心配します! これでも一応彼氏だしな(‾^‾ゞ』
『ありがとうー(‾^‾ゞ』
『はいよ!』

ちょっと照れてしまうような事もサラッと言ってしまう。

なんだか凄く安心する。


──明日、早く学校で会いたいなぁ。
いつも思うことだけれど、今日はいつもよりも強くそう思っていた。

【続く】

byてるてる522