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- Re: 心魂盟奴 〜ソウルメイド〜 ( No.6 )
- 日時: 2015/07/19 22:42
- 名前: Frill (ID: 6Z5x02.Q)
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「————おい、このまま犯っちまっていいじゃねえのか」
声が聞こえる。
「なんでまた、こんな所で寝てやがるんだ?」
とても耳障りな下卑た男の声だ。
「いいじゃねえかよぉお! んぅな事はよぉおっ!! それより、さっさっと運んじまおうぜ! 流石に街道沿いだと人目に付きそうだからよっ!!」
それも複数。
どれもむさ苦しそうなオッサン共の声だ。
「へへ・・・そう慌てんな。こんな別嬪滅多にお目に掛かれねえぜ。皇国の貴族御用達の一流娼婦並みか、それ以上かもしれねえぜ」
どうやら会話の内容からして善からぬ事を企んでいるようだ。
それも女性に対して。
許さん。
俺は確かに女性とは距離を置いてはいるが、嫌いという訳では無い。
ただ、自己中で表面しか見ないリアル女子にうんざりしているだけだ。
もちろん世の中そんな女ばかりではない事も分かっている。
どちらにせよ下劣な真似はこの俺が絶対にさせはしない。
しかし俺はどうしてしまったのか。
女神と会話していたら突然意識を失ったみたいだが。
そういえば先程から身体が固まって動かないのは何故だ?
まるで石化しているようだ。
「でもよ、普通に考えたらおかしいよな? どうしてこんな所で倒れてるんだ? 女が。それも『メイド』が」
な・・・ん、だ・・・とっ!?
メイド、だとっ!?
こいつら、よりにもよって俺の愛するメイドさんに乱暴しようとしていやがるのか!?
駄目だ! 我慢ならん!!
こいつら絶対に許さないぞっ!!
畜生っ! 動けっ! 動けっ!
俺の身体っ!!!
このままだと見ず知らずのメイドさんが汚されてしまうじゃないかっっ!!!!
動けよぉおおおおおおおっっっ!!!!!
『オートシークエンス作動。インタラクティブモジュール確認。作動不良、各種不具合、その他のトラブル異常無し』
突然滑らかな、酷く蠱惑的かつ美麗なボイスが紡がれた。
俺の口から————。
『マスター認識は無し。よって自己保存防衛プログラムに従い行動を確保』
そしてまったく動かなかった己の四肢に忽然と意志が宿り出した。
と、同時に重く閉ざされていた瞼がゆっくりと開く。
『————起動します』